米国時間5月15日に、Facebookの開発者ブログへの投稿で明らかになったことだが、Facebookは、内部利用規約への違反を理由に、Googleの「Friend Connect」プロジェクトへの参加を取りやめた。
Facebookに勤めるCharlie Cheever氏は、その投稿の中で「ついにGoogleがFriend Connectを開始し、われわれはこのテクノロジを評価する機会を得るに至った。われわれはFriend Connectにおいて、ユーザーの知るところなく、Facebookから他の開発者へと、ユーザ情報の再配布が行われることを知った。しかしながら、これはFacebookのユーザーが求めるプライバシーに関する規準を尊重しておらず、Facebookの利用規約違反である」と記している。
言い換えるならば、Facebookのユーザーが、Friend Connectへの参加を許可する選択を行っても、GoogleのAPIによってFriend Connectを用いるサードパーティーサイトに対して、ユーザーは何の権限も持たないという意味である。Facebookの最高プライバシー責任者を務めるChris Kelly氏は、CNET News.comのインタビューに対し、「プライバシー上の理由から、われわれのサービス利用規約では、他のアプリケーションが、Facebook内の情報の再配布を行うことを常に禁じている」と語った。例えば、Kelly氏は「アプリケーションがFacebookのデータを活用し、広告のターゲットにする目的で、サードパーティー広告ターゲットネットワークにデータを引き渡そうとするならば、われわれは、そのようなアプリケーションの利用を禁止する」と説明している。
Kelly氏によると、Friend Connectは、Hi5、Plaxo、Facebookなどのサイト上の既存のAPIを用いて、ソーシャル機能をウェブサイトに追加することを可能にするが、Facebookが、この件に関してGoogleと正式に提携したとの事実はないという。「そもそものところ、まず参加したという段階にない。Googleのリリースによって、ある種の誤解が起きてしまったのかもしれない。Friend Connectという製品がどのように動作するのかさえ、われわれは説明を受けていなかった」と、Kelly氏は述べた。
この件に関して、Googleの関係者からのコメントは、現時点では得られていない。
Facebookは、提携する小売サイトやソーシャルメディアサイト上で、ユーザーが取ったサードパーティーの行動を、Facebookのプロファイルへと送信することになった、「Beacon」とも呼ばれる広告プログラムを立ち上げた時に、プライバシー問題に関する大論争を引き起こしてしまった。Facebookのユーザーベース全体としては、それほど懸念が生じたわけではなかったものの、いくつかの活発なプライバシー擁護団体が声を上げ、十分な(プライバシー)コントロールがなされていないと批判した。結局のところ、Facebookは、二度と繰り返したくない一連の宣伝上の問題に直面した後、Beaconに修正を加えざるを得なかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス