最近、MySpaceをめぐる噂が飛び交っていた。それは、2007年10月第3週にサンフランシスコで開催される「Web 2.0 Summit」で、MySpaceが「Facebook Platform」に似た開発者向けプラットフォームを発表するのではないか、というものだ。そして、ついにその答えが出た。結果は、ほぼ噂どおりと言っていいだろう。
MySpaceの最高経営責任者(CEO)Chris DeWolfe氏は米国時間10月17日、News Corp.会長のRupert Murdoch氏と一緒に同サミット会場のステージに登り、MySpaceがプラットフォームのオープン化に取り組み、「数カ月以内」の公開を見込んでいることを認めた。しかし、具体的な日付が明かされていないことから、遅れも予想される。Microsoftの「Windows Vista」(それに、最近ではAppleの「Mac OS X Leopard」)の発売が当初の計画より延期されたことを考えると、MySpaceのプラットフォームが最終的に公開されるのは、開発陣の見通しよりずっと後になる可能性もある。しかも、MySpaceによると、最初からすべてのユーザーにプラットフォームを公開するわけではなく、まず「サンドボックス」環境で100万〜200万人によるベータテストを行い、その後正式にリリースするという。
MySpaceはまた、埋め込み可能なHTMLウィジェットを集めるディレクトリを作成するほか、サイトのプライバシー管理機能を拡充する予定だ。
ここ数カ月MySpaceが行ってきた発表からすれば、今回の発表は全体として興味深いものだった。最近の同社は、オリジナルの娯楽作品の制作やコンサートツアーの主催、レコード会社との提携といった発表を続けていて、一部の業界観測筋から、MySpaceはソーシャルネットワークなのに、「Facebook」のモデルから離れて、ポップカルチャーのハブとしての役割に方向転換したのだろうか、との疑問の声があがっていた。ポップカルチャーのハブでかつてリーダー的存在だったMTVも、裕福な若者を扱ったリアリティショーという新たな方向性を見いだして、その役割から大きく退いた。
いくぶん未確定の要素を含む発表ではあったが、MySpaceが明確にしたこともある。それは、同社のサイトがトラフィックと会員数の点でFacebookを上回っている状況を歓迎しつつも、技術に関しては急成長を遂げているライバルに追随するという姿勢だ。
一方、FacebookのCEOを務めるMark Zuckerberg氏も、Web 2.0 Summitの幕開けに登場し、このイベントを主催するFederated MediaのJohn Battelle氏と対談した。質問をはぐらかすことで有名なZuckerberg氏は、新規株式公開(IPO)について「何年も先の話」とだけ答えた。そのほか、現在Facebookが多額の資金調達ラウンドの最中で、近く完了するという話も聞かれた。
現金による増資は、Facebookにとって特に重要なことだ。「Silicon Alley Insider」の記事は、「われわれは売り上げの最適化に注力しているわけではない」という、まゆつばもののZuckerberg氏の発言を見出しに使って強調している。やれやれ。だが心配は無用、23歳の若さでCEOを務めるZuckerberg氏は、広告システムの改善に取り組んでいることも明かしている。
TechCrunchのErick Schonfeld氏は、「Zuckerberg氏はすでに、具体的なことは何も言わずに、自分の目の前に無限の可能性が広がっていることをほのめかすテクニックを身につけたのだ」と評している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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