UPDATE オンライン写真共有サービスのFlickrが最近、サイトの対応言語を7カ国語に拡大したが、問題が突如浮上した。同社がドイツ語版サイトにおける写真共有に制限を課したことについて、ユーザーから検閲との批判が噴出したのだ。
Flickrは米国時間6月13日、従来、英語のみだったサイトの言語を7カ国語に拡大した。しかし、同社はドイツ国内のある法律の存在を理由に、同国の会員が見られる写真を同サイトの会員らが、3月に追加されたFlickrのフィルタリング機能を使って「safe(安全)」という印を付けた写真に限定する必要があると判断した。しかし、その結果、インターネット上には「Flickrは、節度を守った写真か禁止されている写真かに関係なく、ドイツから投稿されたすべての写真の検閲を実施している」というタイトルの公開討論スレッドが設置されたり、「Flickrの検閲に反対する会」という名のグループが結成されるなど、波紋を呼んでいる。
FlickrのスタッフであるHeather Powazek Champ氏の投稿によると、Flickrは当初、ドイツで規定されている安全な画像に関する一般的な制限に抵触しない方法を見出そうとしたが、「うまく行かなかった」という。
Powazek Champ氏は、「ドイツ国内におけるFlickrのエクスペリエンスを変更する決断を下したが、それは決して検閲を行うという意味ではない。あくまで、Yahoo Germanyが同国の法的制限を確実に遵守できるようにするための措置だ」と述べ、さらに次のように続けた。「問題は、ドイツでは同国の近隣諸国に比べ、はるかに厳格な年齢確認法が規定されており、(違反行為について)直接的な責任を負う者(すなわちFlickrのドイツ人スタッフ)に対する罰則についても、懲役刑など、他国に比べはるかに厳しい罰則が規定されている点だ」
しかし、Flickrの会員らの怒りは収まらない。この件については、数千件のコメントが投稿されている。以下はその中の1つである「Remmy1」というユーザー名を使用する人物のコメントだ。「Flickrは、(ドイツ国内で事業を展開する他の多くの企業がこれまで明確に行ってきたように)資金を投資して問題を技術的に解決するのではなく、(ドイツの)国全体に制限をかけている(オーストリアやスイスの会員にも影響が及ぶことを忘れてはならない)」
この件についてPowazek Champ氏は、Flickrも早期に事態の収束をはかりたい考えだ、としている。
「われわれは決して完璧ではない(そうありたいと願ってはいるが)。しかし、チームのメンバーは皆、優れた才能とフェアな精神の持ち主であり、この問題の解決法を見出そうと真摯に努めている」(Powazek Champ氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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