Googleが創立から3年を経たJotSpotを買収し、Wikiと呼ばれる共同制作型ウェブページを構築するシステムを取得した。
JotSpotの共同設立者兼最高経営責任者(CEO)のJoe Kraus氏は、米国時間10月31日付けのブログ記事で今回の買収を発表し、検索大手Googleの一員になることで、JotSpotは「世界第1級」のデータセンターおよびエンジニアを活用できるようになると述べた。
買収契約の詳細事項は明らかにされていない。
Googleは10月に入って、社会現象にもなった映像共有サイトYouTubeを16億5000万ドルで買収し、オンライン業界に衝撃を与えた。
ワードプロセッサや表計算といったアプリケーションのホスティングに力を入れるGoogleと、オンライン生産性アプリケーションの開発を目指すJotSpotは非常に相性がよいと、Kraus氏は記している。
「われわれは、Googleが『Writely』を取得し、『Google Groups』『Google Spreadsheets』『Google Apps for Your Domain』を立ち上げるのを見てきた。その結果、複数の人々がオンライン上で情報を作成、管理、共有できるようにしていく戦略において、Googleとわれわれは共通の視点を持っていることがわかった」(Kraus氏)
JotSpotは、Wikiベースのアプリケーションを構築する際に、プラットフォームとなる製品を提供している。例えば、複数のユーザーが編集できるオンライン表計算およびカレンダーアプリケーションなどがその一例だ。
カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くJotSpotでは、主に企業顧客を対象に、Wikiシステムをホスティングソフトウェアとして販売してきた。大規模なドキュメント管理システムの代替となるWikiは、その手軽さから多くの企業で利用され始めている。
Kraus氏は、Google傘下に入って最初に成すべき仕事を、JotSpotのソフトウェアをGoogleのソフトウェアアーキテクチャに移行することだと説明した。
さらに同氏は、31日に行われたインタビューの中で、JotSpotの開発チームが、同社のWikiソフトウェアをGoogleのホスティングアプリケーションと連係させる作業を進めていくことを示唆した。
「JotSpot製品をWritelyおよびGoogle Spreadsheetなどのすぐれた製品と連係させれば、膨大なメリットが生まれる可能性があると考えている。詳しいことはまだ話せないが、両社がベストオブブリードな製品を多数所有していることは確かだ」(Kraus氏)
JotSpotがユーザー層を拡大し、Wikiの普及を図るに当たっては、Googleが力を貸してくれるだろうと、Kraus氏は話した。「われわれは常に、Wiki技術を幅広いユーザーに使用してもらうことを目標としてきた。目標を達成するのにGoogleの協力が得られれば、それに越したことはない」(Kraus氏)
Kraus氏によれば、JotSpotの有料製品を利用しているユーザーは大半が中小企業だが、一般消費者も、同窓会の運営などさまざまな用途のために同社製品の無料版を活用しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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