Googleが新たに発表した企業向けサービス「Google Apps for Your Domain」の機能を一通り体験した後、筆者は同社のエンタープライズ製品責任者Matt Glotzbach氏にインタビューする機会を得た。
Matt Glotzbach: われわれは、コンシューマー向けアプリケーションの使い勝手の良さを、ビジネスの場にも提供しようとしています。これによって、サーバの購入、設定、保守のコストは不要になります。最終的な目標は、Googleの持つインフラを活用するアプリケーションスイートを開発することです。このようなアプリケーションは、今までより大幅にコストが低い(あるいはコストが全くかからない)ソリューションを企業に提供するプラットフォームとして機能し、さらには将来を担うプラットフォームとなるでしょう。
この製品は、小規模から中規模の企業を対象としています。ほかにも、教育分野からも魅力的だとの声を得ていますし、 より規模の大きい企業の間でも関心は大変高いです。
Matt Glotzbach: われわれはGoogle Apps for Your Domainのことを、新しい機能や全く新しい製品を追加し、すべてをまとめた形で提供可能なプラットフォームと考えています。現段階で正式に発表できることはありませんが、このアプリケーションスイートに統合可能な製品が他にないか、検討はもちろん行っており、WritelyとSpreadsheetsはその候補です。
また、ブログ機能や「Google Groups」、それにまだリリースしていない他の機能を加えてほしいという要望もいただいています。
サービスとしてのソフトウェア(SaaS)モデルの利点の1つは、新しい機能をすばやく追加でき、しかも、ユーザーにそのコストを負担してもらう必要がないことです。
Matt Glotzbach: 残念ながら、まだ細かい日程は決まっていませんが、2006年中に有料のプレミアム版をリリースする予定です。そのころには、機能が追加されているかもしれません。
Matt Glotzbach: プレミアム版では、中規模から大規模の企業が持つニーズへの対応を強化するつもりです。具体的には、サポートおよびサービスの品質を保証したり、新たにサービスを追加したりすることを考えています。現段階ではくわしく説明できませんが、APIやシングルサインオンなど、企業にこのサービスを利用してもらえるよう、有料版だけの特典を設けることを考えています。
Matt Glotzbach: 無償版でも、コンシューマー向け製品と同等のサポートを提供します。ユーザーは要望やバグ情報を送信可能で、送られたメッセージには専門家チームが順次対応します。ただし、いつ対応するかは保証できません。また、Google Groupsに非常に大規模なサポートグループがあり、われわれも参加しています。
Matt Glotzbach: 当然ですが、エンドユーザーのプライバシーとセキュリティを守ることはGoogleにとって最優先事項です。ウェブメールについても、最近になって急にサービスを開始したわけではありません。すでに数千万ものユーザーにわれわれの電子メールサービスを利用してもらい、信頼をいただいています。
ただし、このようなソリューションがすべての企業に適しているとは全く考えていません。このようなソリューションではいざという時に意味がないという組織もあります。医療サービスや金融サービスなどの規制の厳しい業界では、特にそうです。このような場合には企業内にサーバを設けるソリューション(Googleサーバアプライアンス)が必要であり、そうした種類のオプションを検討しているところです。
Matt Glotzbach: 今のところありません。われわれがやるべきビジネスではなく、その分野で活躍している企業はほかにたくさんあります。ただし、ドメインの設定作業がもっと簡単にできるよう、努力していることは申し上げておきます。
Matt Glotzbach: いくつかの点ではとても似通っていると思います。Microsoftは、小規模企業向け製品も提供していますが、(Office Liveでは)むしろコンシューマーや個人事業主をターゲットにしているようです。一方、われわれがやろうとしているのは、「Gmail」や「Google Calendar」など、コンシューマー向け製品の使いやすさと使用感を小規模企業にも提供することです。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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