カリフォルニア州ラグーナビーチ発--ブランド宣伝型の広告の売上伸び率が、ウェブ検索に連動した広告を今後数年で上回ると考える広告業界の幹部は多い。そして、こうした幹部たちが注目しているのは、検索業界の巨人、Googleがこの変化にどう対応するのか、という点だ。
米国時間6月12日から14日まで、投資会社のPiper Jaffrayがメディア界の幹部や投資家を招いて開催した懇談会「Global Internet Summit」のなかでも、Google幹部のSheryl Sandberg氏(グローバルオンライン広告販売および事業担当バイスプレジデント)はこの点に関係する質問を受けた。同社のディスプレイ型広告は今のところ、それほどの成果を挙げていなのではないかというのだ。
これに対しSandberg氏は「ディスプレイ型広告は始まったばかりだ。ディスプレイ型広告について言えば(中略)これから成長する分野だと考えている」と答えた。
Piper Jaffrayの複数のアナリストは、2006年は全世界における検索型広告の売上はおよそ40%増加して136億ドルとなる一方、ブランド広告の売上は25%増の117億ドルになると予測している。しかし、今回の懇談会に出席したPiper Jaffrayのアナリストや広告業界幹部は、ウェブページに表示されるバナー広告などのディスプレイ型広告が、2007年以降は成長率で検索型広告を抜くだろうとみている。
これは2002年以来、2けた台後半から3けた台の成長率を誇ってきた検索型広告にとって、大きな曲がり角といえる。
ドットコム不況の到来以降、伸び悩んでいたオンライン広告市場は、対象を絞り込む検索型広告によって息を吹き返した。GoogleやYahooなどの検索エンジンを使い、対象となる商品に興味を持つ買い手と売り手を比較的低コストで結びつかることが可能になったからだ。特にシンプルなインターフェースで関連性の高い検索結果を表示するGoogleは、検索結果と連動させた広告でネット界の巨大企業になった。ディスプレイ型広告やブランド広告といったほかの広告形式を導入することなく、Googleは十億ドル台の売上高をあげている。
しかし、ウェブ上で動画の普及が進んでいるのに伴い、今後は動画を使ったブランド広告が優勢になるだろうと広告業界の幹部は予測する。たとえば、テレビコマーシャルの広告主は、すでに30秒版のオンラインコマーシャルをNYTimes.comやYouTubeといった動画を掲載するサイト向けに制作している。
また、家庭用品メーカーのCloroxのようなコンシューマー向け商品の販売元もブランド広告の牽引役になりつつある。こうした企業は広告予算を従来の広告市場からオンライン広告に移しつつあると、広告業界の幹部たちは指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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