カリフォルニア州サンノゼ--ネットオークション企業のeBayは今週、政治家が羨むような政治運動を開始した。ネットの中立性への支援を求め、大量の電子メールを全米のユーザーに送信したのだ。
eBayの最高経営責任者(CEO)Meg Whitman氏は、100万人以上の登録ユーザーに向けて、通信関連法をめぐる議論に参加して「手遅れになる前に、各自の地元の下院議員にメッセージを送ろう」と呼びかけた。
「インターネットアクセスを管理する電話会社およびケーブル会社は、政治への多大な影響力を利用してインターネットを劇的に変更しようとしている」と、Whitman氏は書いている。「信じがたいかもしれないが、ワシントンの議員たちは、将来において消費者が自由にインターネットを利用できるようにすべきかどうか、真剣に議論している」(Whitman氏)
eBayが電子メールを使って登録ユーザーに国政に関する問題への関与を呼びかけるのは今回が初めてで、Whitman氏が自分の名前でこうした電子メールを送るのも前例のないことだ、と同社は米国時間6月1日に述べた。
eBay--長年にわたり、他の企業と協力しながら、ネットの中立性を支持する運動を活発に展開している--は、これまでに100万通を超えるメールを送ったことを認めたが、それ以上の正確な数字は明らかにしなかった。キャンペーンは現在も続いている。
「ネットの中立性」は、一般的には、すべてのインターネットサイトを平等に扱わなければならないことを意味する。このコンセプトは、ミュージシャンのMoby氏、女優のAlyssa Milano氏、インターネット技術の開拓者の1人であるVint Cerf氏など、多数の著名人から支持を集めてきた。また、GoogleやYahooといったネットの中立性を支持する大手インターネット関連企業と、連邦法が制定されれば自社のネットワーク管理能力が制限されると主張する通信会社との間に、政治的な対立が生まれる原因にもなった。
「Meg(Whitman)はこの問題を追い続けており、上下院が立法に向けて動いている今こそ、コミュニティーに呼びかけ、通信改革法についてのコミュニティーの考えを議会に伝えるべきだと考えた」と、eBayのグローバルポリシー担当アソシエイトゼネラルカウンセルTod Cohen氏は説明した。
ハイテク企業が電子メールを使って同様の呼びかけを試みたことは以前にもあるが、今週のeBayのキャンペーンは最大級の1つに挙げられる。過去の例としては、Microsoftが反トラスト法訴訟の最中に、「革新する自由(Freedom to Innovate)」と題したニュースレターを配布したことがあった。ニュースレターの締めくくりの部分には、「今こそ、この訴訟についてあなたがどう感じているか、議員たちに知らしめよう」と呼びかける一文がある。
eBayの電子メールキャンペーンは、ネットの中立性をめぐる政治論争がワシントンDCで激しくなってきているのを受けたものだ。AT&TやVerizon Communicationsといったブロードバンドプロバイダーが激しく反対したネット中立性関連法案は、ある下院委員会により4月5日に否決されたが、別の下院委員会によって5月25日に可決された。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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