ワシントン発--ネットの中立性の支持者らは広告塔となる有名人を正式に任命したようだ。
カフェオーナーへと転身したミュージシャンのMobyは米国時間5月18日、米連邦議会議事堂に現れネットの中立性の原則を法律に盛り込むべきとするEdward Markey議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の提案が承認されるよう呼びかけた。いつものようにスキンヘッドでトレードマークである黒縁の眼鏡をかけたMobyは、ネットの中立性の原則に法的強制力が伴わないのであれば、今日の「平等主義的な」インターネットは大手通信事業者により私物化されてしまうだろうと訴えた。
「現在のシステムは、問題なく機能している」とグラミー賞ノミネート歴のあるMobyは述べ、ネットの中立性の支持者らが「インターネットは歴史的にオープンなアーキテクチャだ」と称賛している点についても、いつもの穏やかな口調で言及した。「われわれは変化を望んでいるのだろうか?」(Moby)
ネットの中立性の概念とは、より高速なデータ配信や優遇措置の対価としての追加料金を、ネットワーク事業者はコンテンツプロバイダーに課すべきではないという考えだ。
ネットの中立性に賛同するミュージシャンはMobyだけではない。新たに結成された団体Artists and Musicians for Internet Freedomには、REM、Wilco、カントリーアクトのDixie ChicksそしてヒップホップアーティストのQ-Tipなどが名を連ねている。
MobyはMarkey議員の隣に立ち、同議員の提案に賛成票を投じるよう議員らに呼びかけた。もし賛成しないのならば、次の選挙で「有権者があなたに投票しないことも十分にあり得る」と警告した。
出席者がまばらな記者会見は、ドーム型の屋根が人目を引く下院議員会館のそばで開かれた。Markey議員とMobyは、多数のネット中立支持者らに囲まれており、彼らは今回のイベントの企画者が用意した「Save the Internet(インターネットを守れ)」と書かれたオレンジ色のポスターを掲げている。また、反対陣営のポスターを掲げている者も少数ながらいた。
両陣営の間で大きな揉め事はなかったが、紙がぶつかりあうような音が響き、ちょっとした小競り合いが起こった。ウェブキャストの視聴者向けに撮影しているビデオカメラの列の前で反対陣営が自身のポスターを掲げて撮影の邪魔をしようとしたのだ。「Save the Internet」のポスターを掲げた参加者らがそのような行為を面白く思わないのは当然だろう。もみ合いによりMarkey議員の演説が一時中断されたが、その不謹慎な行為で追い払われた者はいなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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