強大な力を持つMicrosoftも、音楽に関しては弱者だ。
PCのOS、デスクトップソフトウェアスイート、電子メールソフトウェアの市場を独占するだけでなく、データベースからテレビゲームに至るまで、ありとあらゆる分野で膨大な利益を上げるMicrosoftにとっても、音楽は苦手な分野だ。
Microsoftの音楽ソフトウェアの最新版である「Windows Media Player(WMP) 11」は、弱者のレッテルをはがすきっかけになるだろうか?デジタル音楽の分野で倒さなければならない相手は、あのApple Computerであることには間違いない。この目標の実現に向けて、Microsoftは着々と準備を進めつつあると、技術評論家やアナリストは言う。
評論家は、米国時間5月17日に登場したWMP 11のテスト版について、AppleのiTunesと遜色がないと述べた。たとえば、技術評論家のPaul Thurrott氏は、熱心なiTunesユーザーなはずの自分が、iTunesより「パフォーマンスが劇的に優れているWindows Media Player 11に魅了されてしまった」と自身のウェブサイトにレビューを書いている。
では、どこが気に入られたのだろう?業界の消息筋は、MicrosoftがMTV NetworksやiRiverと密接に連携している点を歓迎した。MicrosoftはMTVの新しいサブスクリプション音楽サービス「URGE」の設計を支援し、これをWMP 11に組み込む予定だ。さらにMicrosoftは、15日に発売され、iRiverのデジタル音楽プレイヤー「iRiver Clix」上で、WMP 11がシームレスに動作するよう確実を期した。
Microsoftの対応はこれまでと比べて大幅に改善されたと、多くの評論家は話している。だが、この業界で同社が長年のライバルに追いつくには間違いなく相当な努力が必要だともいう。
アナリストによると、Appleは5000万台以上のiPodを販売し、世界デジタル音楽市場のうち70%のシェアを握っているという。この数値と、Appleの革新的なデザインが大きく関係しているのは疑いのないところだ。また、Appleが提供するデジタル音楽商品の操作性も大きく影響している。iPodと同社のオンラインミュージックストアは連動するようデザインされており、消費者は、操作の方法などを試行錯誤する必要がない。
一方、Microsoftと同社のパートナーが提供する製品では同じようにはいかないと、評論家は主張する。Microsoftがすべての製品をコントロールできる状況ではないため、Appleが提供するような使い勝手を実現できないというのである。
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