大手レコード会社やデジタル音楽配信サービス、音楽関連の権利を管理する代理業者らが、デジタル音楽の販売データの追跡効率化を目指して、「Digital Data Exchange(DDEX)」という業界団体を発足させた。
DDEXでは、主に売り上げと権利追跡を目的に、デジタル音楽ファイルに含まれるメタデータの標準の確立に取り組んでいく。
DDEXの立ち上げメンバーのなかには、アーティストの権利グループ「ASCAP」、Sony BMG Music Entertainment、Warner Music Group、Universal Music Group、EMI Musicのほか、米国、英国および欧州の音楽権利関連の協会や代理業者も含まれている。デジタル音楽配信サービスを提供しているApple Computer、Microsoft、RealNetworksの各社も同グループのメンバーとなっている。
「われわれは音楽や楽曲に関する情報の伝達を効率化するための基礎もしくはベースラインを確立したいと考えている」と、ASCAPのシニアバイスプレジデント、Chris Amenita氏はCNET News.comに語った。「これは、クレジットカード業界が何年も前に標準化を進めた際にしたことと、いくぶん似たものだ」(Amenita氏)
現在、コンテンツプロバイダーや音楽出版社、デジタル音楽配信サービスの間には、音楽ダウンロードの売り上げに関する情報を配布したり受け取ったりするための標準的な方法がない。各レコード会社では、音楽ファイルを配信サービスに公開する際に、独自の方法を使ってその情報を音楽出版社に報告している。また各音楽配信サービスは、特定のデジタル音楽ファイルの売り上げを音楽出版社やコンテンツプロバイダーに独自のフォーマットで報告している。
DDEXでは、デジタル音楽ファイルに付加されるメタデータについて標準的なフォーマットを確立し、またそれを追跡するシステムを構築しようとしている。この標準が確立されれば、権利保有者の身元や、売り上げやロイヤリティに関する情報が、すべての合法音楽配信サービスで同じやり方で伝えられることになる。
「今年末までに何かの標準を策定できれば素晴らしいと考えている。しかし、これだけ多くの関係者が関与していれば、現実的にならざるを得ない」(Amenita氏)
DDEXでは、権利関連の報告や売り上げ情報の伝達の合理化に加え、DDEXでは消費者が音楽データをソートしたり整理したりするのに使うメタデータの標準化も長期的な目標としている。
これが実現されれば、アーティスト名や他の関連するコンテンツのような情報が、デバイスや音楽プログラムの違いに関係なく標準的なフォーマットで表示されるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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