ビデオゲームに含まれる性的/暴力的表現をめぐる政治的戦いが、米国時間29日に新たな局面を迎えた。Hillary ClintonとJoseph Liebermanの両上院議員はこの日、連邦政府に対してビデオゲーム業界に対する取締りを強化するよう求めた。
両上院議員は、ビデオゲームのなかに見られる性的/暴力的表現はもはや手に負えない状況にあると主張し、1例としてゲームメーカーのRockstar Gamesが同社の人気ビデオゲーム「Grand Theft Auto: San Andreas」に性的表現を組み込んだか否かをめぐる最近の騒動を挙げた。
Clinton議員は声明の中で、「子供が自ら店に入って、露骨な暴力的/性的コンテンツを含むビデオゲームを購入できない(という確証を親が持てる)ような制度を作るべきだ」と述べ、実際の法案は上院の休暇が明ける12月12日に提出すると語った。
Clintonが発表を行なった29日には、National Institute on Media and the Family(NIMF)も報告書を発表した。NIMFはその中で、業界が運営するビデオゲームの評価システムは「修復不可能」と指摘した。
さらに、ビデオゲーム業界には別の政治的側面からも圧力がかかった。Ted Stevens上院議員(共和党、アラスカ州選出)は29日、テレビ/ラジオ放送およびコンピュータゲームにおける「良識」をテーマにした丸1日がかりの公聴会を開催した。その中で同議員は、「(米国には)本来国が持つべき、若者向けの倫理基準のようなものがない」と警告した。
これらの政治的包囲網により、ビデオゲームを標的とした一連の州法制定ですでに揺らいでいるビデオゲーム業界は、守勢に立たさることになった(ビデオゲーム業界は一連の政治的圧力がかかった29日の前日、Microsoft、任天堂、ソニーの3社の次世代家庭用ゲーム機にペアレンタルコントロール機能(親が子供に有害なコンテンツへのアクセスを規制できる機能)が搭載されると発表した。同業界はこの発表により、業界に対する批判が鎮静化することを望んでいた)
ビデオゲームソフトの業界団体Entertainment Software Association(ESA)で会長を務めるDouglas Lowensteinは、CNET News.com宛てに送付した声明の中で、Clinton、Lieberman両議員が作成した法案は違憲かつ不要だと主張した。Lowensteinは、「(同法案が)仮に立法化されたとしても、いくつかの州で可決された類似法案と同様に廃止されるだろう」と述べ、さらに「よって、この法案は家族重視の法案という位置づけだが、実際に両親たちに良い結果をもたらすことはない」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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