米イリノイ州で、暴力的内容を含むビデオゲームを未成年者に販売することを規制する新法が成立したが、これに対してソフトウェアメーカーや再販業者らは米国時間25日、同州法が憲法違反にあたるとして、シカゴの連邦裁判所で訴えを起こした。
ビデオゲームの脚本や筋書きを果たして政府が規制すべきか否か、またするとすればどのような手段を取るべきかという問題は、すでに米国全体で議論されており、今回の訴訟もその一環といえる。
同裁判が提起されたのと同じ日に、米下院では、ゲームソフトメーカーのTake-Two Interactive Softwareが同社の人気ゲーム「Grand Theft Auto:San Andreas」がAO(成人指定)となるのを不正な手段で回避しようとしたか否かについて、正式な捜査を要請する法案が355対21で可決された。同ゲームは、露骨な性表現を含むコンテンツが含まれているとして論議の的になっていたが、先週にはより厳格な成人指定になっていた。
イリノイ州知事のRod Blagojevich(民主党)は同州法について、子供たちが購入/レンタルする可能性のあるゲームを両親が監視しやすくなるとして、これを歓迎した。「現在、各家庭の親たちは、暴力的あるいは露骨な性表現を含むビデオゲームを子供たちに販売する、数十億ドル規模のビデオゲーム業界を相手にしている」と、Blagojevichは25日に同法に署名した際にコメントした。
Blagojevichが署名することはすでに予想されていたため、Entertainment Software AssociationやVideo Software Dealers Associationといったビデオゲーム業界の業界団体は、事前に訴訟の周到な準備を行なっていた。ビデオゲーム業界が提出した訴訟文書は、合衆国憲法修正第1条の従来の趣旨に沿って書かれている。業界側はそのなかで、書籍や新聞は崇高な憲法の原則によって政府の侵害的規制から守られているが、ビデオゲームも同様に憲法の原則によって守られていると主張している。
業界団体側は23ページに及ぶ訴状の中で、「どんな文学作品でもそうだが、筋書きには正対悪、逆境の克服、腐敗した政府や支配者との戦い、冒険の探求といった、おなじみのテーマが取り上げられるケースが多い」とし、さらに「映画や本といった他のメディアにおける表現には、ビデオゲームの主題となっているアイデアがそのまま採用されている」と述べている。
イリノイ州法HB4023は、暴力的あるいは性をテーマにした「有害な」ビデオゲームの18歳未満の者への販売を禁じている。暴力とは「人間が人間に対して行なう暴力」と定義されており、同法に違反した場合は状況に応じて軽罪か重罪として処罰される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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