ハリウッドの映画会社各社が、人気の高いファイル交換技術「BitTorrent」を開発したBram Cohenと違法コピー撲滅で合意に達したことを発表した。これにより、同氏は不正にコピーされた映画をネット上で探すユーザーに力を貸せなくなる。
Cohenは昨年5月、BitTorrentを使ってダウンロードされたファイルをインターネットから探し出すサービスを自身のウェブサイトで立ち上げた。これらのファイルの多くは、オープンソースソフトウェアパッケージなど合法なものだが、この検索エンジンで著作権付きの映画ファイルが見つかることは避けられなかった。
Cohenと米国映画協会(MPAA)の幹部らは、ロサンゼルスのAmerican Film Instituteで開かれたイベントで、著作権侵害行為の撲滅で協力することになったと語った。
「BitTorrentは、許可なく映画を配布する行為に自社の技術が使われることを勧めていない」とCohenは声明のなかで述べている。「われわれは映画業界と協力して、BitTorrent.comの検索エンジンから違法なコンテンツを排除できることをうれしく思う」(Cohen)
Cohenは、何年も前からピアツーピアの世界では異色の存在だった。同氏は映画やソフトウェア、楽曲の違法な配布に広く利用される技術の生みの親だが、しかし同氏とその会社は、KazaaやeDonkeyの技術のようにユーザー同士を結ぶネットワークは保有していなかった。
その結果、個々のBitTorrentユーザーが映画ファイルをアップロードした罪で訴えられたことはあったが、これまで同氏が訴訟の対象となったことはなかった。
MPAAのCEO(最高経営責任者)、Dan Glickmanは声明のなかで、「BitTorrent.comサイト上にある著作権侵害ファイルへのアクセス制限で、Bram Cohenと同氏の会社が協力してくれることをうれしく思う。彼らは先頭に立って他社に手本を示している」と述べている。
しかし、BitTorrentを使って配布されている違法なファイルを検索するツールは、Cohenのエンジン以外にも多数存在する。BitTorrent専門サイトを検索できるオンラインエンジンはほかにもいくつかあり、また普通の検索エンジンでもBitTorrentファイルは検索できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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