米国カリフォルニア州サクラメント発――技術や消費者プライバシーの専門家たちは18日、カリフォルニア州議会の公聴会にて、衣服から通貨まであらゆる物を無線で監視できることで論争になっている技術の規制を求めた。
Debra Bowen上院議員が議長を務めたこの公聴会は、RFIDという名称で知られる新しい技術に焦点を絞ったもの。米国と欧州では、Wal-Mart Storesなど小売店や製造業者数社がRFIDシステムの試験を開始している。RFIDは、数百万もの特別なセンサーを用いて自動的に店内の商品の動きを見たり、倉庫の在庫を監視できる新技術だ。
RFID支持者は、店主や製造業者が効率的に事業運用でき、窃盗を減らせることから、次世代バーコードとしてこの技術を歓迎している。
しかし、プライバシー活動家は、消費者がRFIDの使用を確認していない場合、最終的に消費者のプライバシーを侵害することになると心配している。店主は、これまでは不可能だった店内での消費者の行動情報を蓄積して、顧客情報データベースにリンクさせることができるからだ。また、商品に小さなRFIDマイクロチップを組み込むことで、企業や政府、泥棒志願者が商品を買った後の人々の個人的な所有物を監視する可能性があるとも懸念している。
Bowenは、RFIDのシナリオを仮定しながら、「ある日、下着があなたの所在を報告していると気が付いたとしたら、どんな気がするでしょうか?」と述べる。
Bowenによると、RFIDの使用を管理する法を整備することは「可能だ」という。だが、彼女はまだ法案を提出する段階には至っていない。たとえもしBowenが法案を起案したとしても、彼女の最終的な目標はRFIDを法的に無効にすることではない。Bowen自身も、飼い猫を監視するのにRFIDを用いた特別なペット追跡チップを利用するユーザーなのだ。
「この公聴会の目的は技術の利用を制限することでしょうか?違います。この技術を決して使用してはならないというような法を制定することがわれわれの目標ではありません。われわれの目標は正しく理解してもらうことです」とBowenは語る。
この新技術に関する立法委員会の議長を務めているBowenは、アンチスパム法制定の動きでも先頭に立っている。また、顔を認識する技術、ケーブルや衛星放送業者が集めた消費者のデータ、食料品店で使われている顧客カードを取り締まる議案の起案と提出にも関わっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス