米国時間11月19日、60人の人々が、代替現実ゲーム(Alternate Reality Game:ARG)「Last Call Poker」の最終場面に設定されているHollywood Forever墓地に集まった。その様子を見た一部の人々には、彼らの行為が埋葬されている人々に対し最大限の敬意を表しているようには見えなかったかもしれない。
しかし、Last Call Pokerのイベントの1つとして現実世界で行われた今回のGraveyard Gamesの数十人のプレイヤー、および、10月中旬から全米の5つの都市で開催された同様のイベントのいずれかに参加した数百人の人々にとっては、Tombstone Hold 'Emと呼ばれるゲームをしながら、この有名な墓地を走り回ることほど、墓地に埋葬されている人々、および墓地自体に対して敬意を表するのにふさわしい方法はなかったのかもしれない。
19日のイベントに参加したLast Call Pokerのあるプレイヤーは、「(各プレイヤーは)長時間かけて多くの名前を見なくてはならない」と述べ、さらに「過去に実在した人々に会い、彼らがどのような人物だったかを考える」と語った。
10月中旬にカリフォルニア州コルマで最初のGraveyard Gamesが開催された後、会場となったItalian Cemeteryに埋葬されている人々の一部の遺族が、自分たちが神聖な場所と考えている墓地でゲームを行うという発想に異議を唱えた。
しかし、「エクスペリエンスを販売する」4orty2wo EntertainmentのデザイナーJane McGonigalは、そのような意見に対し、墓地とは本来どのような場所か、また墓地は従来どのような場所であったか、という視点が欠けていると指摘する。4orty2wo Entertainmentは、ゲームメーカーのActivisionが開発したビデオゲーム「Gun」の販促活動の一環としてLast Call Pokerを企画した。
McGonigalは、「墓地が(一般の生活環境から)独立した空間として扱われだしたのは、わずか100年前のことだ」と述べ、さらに「20世紀以前は、墓地は公園であり、憩いの場だった」と語った。
同氏によると、なかには、かつて男性が交際中の女性をよく連れて行く場所として知られた墓地もあるという。
そのようなことで、McGonigalとその同僚は、全米中の墓地で、公式のGraveyard Gamesイベントを6回と、非公式イベントを1回開催した。公式イベントは、コルマ、ワシントンDC、カンザスシティ、ニューヨーク、アトランタ、ロサンゼルスの6都市で開催されたが、いずれのイベントでも主催者は墓地の管理者から明確な許可を得ていた。
墓地の使用許可が得られたのは、墓地の管理者がゲームの内容を十分に理解してくれたからだ、とMcGonigalは主張する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス