Yahooが小規模なウェブサイト向けの広告ネットワークを立ち上げようとしていると、この計画に詳しい情報筋がCNET News.comに語った。Googleでもすでにこれと似たスタイルのサービスを提供していることから、この動きによって両社の戦いが激しさを増すことになる。
YahooとGoogleは、すでにAmerica Onlineなどの主要検索広告パートナーを巡ってしのぎを削っているが、大人気のブログをはじめ、小規模サイトへの対応では、テキスト専用広告の提供で有名なGoogleが主に独占的な立場にある。
この計画に詳しい情報筋によると、Yahooは今回、小規模サイト向けに自社独自の広告オプションを提供する計画だという。Googleのサービスと同様、Yahooのセルフサービス製品も、特定のウェブページのコンテンツと関連があると見なされるテキスト広告を表示するものになる。広告主は、読者が広告をクリックした分だけ対価を支払い、Yahooと広告掲載サイトが利益を折半する。
UBS Warburgは先週、Yahooがこの新分野に参入するとの期待感から、同社の格付けを引き上げた。また、先日からYahoo社員のブログの一部にテキスト広告が散見されるようになったことも、このサービスの立ち上げが近いことを示す兆候として挙げられる。
Yahooの子会社Overture Servicesで業務提携ディレクターを務めるDan Bobergは以前、Yahooがこの市場に関心を持っていることをインタビューのなかで正式に認めていた。ただし、同氏は詳細については明らかにしなかった。「われわれはその方向に向かっている」(Boberg)
小規模サイトへの広告配信は将来有望な収益源といえる。そのことは、このニッチ市場に対するGoogleのこれまでの取り組みを見れば明らかだ。
Googleは2003年6月、自社の大規模サイト向け広告サービスである「AdSense」を拡張し、小規模サイトに的を絞った自動セルフサービスを追加した。検索エンジンのクエリバーに入力されたキーワードに対応して表示される検索関連広告とは対照的に、AdSense広告はページのコンテンツと意味に対応して表示される。たとえば、サッカーの試合に関するニュース記事には、サッカー製品のスポンサー付きリンクが表示される。
Googleは、検索広告配信による収入を合算して発表しており、AdSenseだけの売上は明らかにしていない。広告配信ビジネスは、Googleの2004年度の売上31億ドルのうち、48%を占めている。
小規模サイトにも自社からの広告を掲示できるようになれば、検索エンジンや大規模ウェブサイトに対応するYahooの現在の広告サービスがさらに充実することになる。
ウェブサイト運営者らはYahooのこの計画に肯定的な反応を示している。この分野ではこれまでGoogleの競合相手が不在だったため、同社が一方的に価格決定権を握っている状態だった。また、Googleの提示する提携契約の条件が厳しいとして、これを非難するウェブサイト運営者や業界観測筋も多い。Googleではウェブサイト運営者に対し、各々のサイト上に掲載されたAdSense広告からの売上について語ることを許していない。
「すばらしいニュースだ。競争が激しくなれば、 AdSenseやほかのサービスは、サイト運営者への分け前を大きくせざるを得なくなる」と、あるサイト運営者はebmasterworld.comにある掲示板にコメントを書き込んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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