Mozilla Foundationが、Firefoxのドイツ語版をアップデートした。同ブラウザについては、検索ツールバーによる顧客の個人情報の取り扱いをめぐって論争が巻き起こっており、今回のアップデートにはこの問題の鎮静化を図るのがねらいがある。
Firefoxウェブブラウザなどの開発とマーケティングを監督しているオープンソースグループのMozillaは、米国時間22日に、eBayの検索プラグインを変更したと発表した。同プラグインは元々、スイスのある検索企業が所有するウェブアドレス(URL)を通じて検索クエリを処理していた。
同グループは声明の中で「Mozilla Foundationは、プライバシー問題に気づかずにこのURLの実行を認めていた」と述べ、さらに「これは我々のミスだ。我々はこの問題に気づくや否や、早急に対策を講じた」と語った。
検索リダイレクトをめぐる今回の騒動は、Firefoxの魅力の根幹を揺るがしかねない問題を提起することになった。同ブラウザはこれまで、その機能や性能が大絶賛され、熱狂的支持を獲得してきたが、ただしそれも、MicrosoftのInternet Explorerを悩ましてきたような、セキュリティやスパイウェアに関するさまざまな問題がない点が大きな理由の1つとなっていたからだ。
あるユーザーはMozillazineの掲示板に、「多くの人がFirefox 1.0をダウンロードしているのは、単にスパイウェアやアドウェアから逃れるためだ」と記した上で、「しかも、公式の検索プラグインを使った際に、最初に表示されるのは広告リンクだ。特にFirefox 1.0の場合はこの傾向がひどく、一刻も早く変更されるべきだ」と述べている。
Mozillaは声明の中で、「(検索リダイレクトは)利用率の測定が目的であり、スパイウェアについての噂は全て真実ではなく、根拠を欠いている」と語った。
MozillaはeBay Germanyがこのリンクを提供した点を強調した。一方eBayは22日午後に、欧州支社が業務を開始する23日朝までコメントできないと語った。
Mozillaによるドイツ語版Firefoxのアップデートが遅れたため、同グループはインターネット上のドイツ語や英語の掲示板で大論争が巻き起こるのを食い止められなかった。なお、このニュースはドイツの技術系サイトHeise.deで最初に報じられた。
Mozillaの幹部は以前、Firefoxの検索ツールにリストアップされている検索サービスプロバイダから収益を上げたいと語ったことがあるが、同時に非営利組織であるMozillaが有料検索契約を締結することに対して論議を呼ぶ可能性があることを認めていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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