「Googleのミッションは、世界中の情報を組織化し、世界中のユーザーがその情報を利用できるようにすることだ。そのために、より質の高い検索結果を生みだす必要がある。これを実現するためのさらなる研究開発に向けて、東京に研究開発センターを設立する。」Googleの技術担当バイスプレジデント、ウェイン・ロージング氏は、20日に開催されたSearch Engine Strategies Conference & Expo 2004の基調講演にて、日本国内に研究開発拠点を設置すると発表した。
Googleの技術担当バイスプレジデント ウェイン・ロージング |
ロージング氏によると、国内の研究開発センターは渋谷に拠点を置き、米国から技術者を迎え入れるのに加え、現在国内でも技術者を採用中だという。採用は始めたばかりで、具体的な規模などは明らかにしていない。「Googleでは(規模などの)数字を先に決めるという戦略を取っていない。優秀な技術者で新たなアイデアを生み出す力のある人材は積極的に採用したいと考えている」とロージング氏。同氏は、Googleが思いつきのアイデアであろうとも常にそれを具現化させようとする社風を持っていると説明し、状況に応じた事業展開を進める考えを示した。
日本に開発拠点を置くとはいえ、そこでの最重要課題は各サービスの日本語化というわけではないようだ。Googleには現在Google NewsやBloggerなど日本語化されていないサービスも数多く、いずれ各サービスの多言語展開を視野に入れるとはしているが、「日本での開発拠点の最重要課題は、まず日本語の検索の質を高めることだ」とロージング氏はいう。現在Googleでは日本のユーザーを680万以上抱えており(Nielsen//NetRatings調べ)、すでに検索結果の質の高さには定評のある同社の検索技術だが、これを「最高レベルに持っていきたい」とロージング氏は述べる。
基本的に国内の開発センターでは、他のセンターと同様に分散システムやアルゴリズムなどの研究が行われるとみられる。ロージング氏によると、現在の検索技術はシンタックス、つまり構文に基づいたものだというが、今後セマンティックス、つまり意味論に基づいた検索もできるようにしたいとしている。さらに、現在はまだ開発の初期段階にあるというパーソナライゼーション検索も時間をかけて研究していくとしている。また同氏は、「新しいアイデアは研究開発の過程で生まれるもの。東京の開発拠点では、検索技術の向上とともに、新たなアイデアが生まれることに期待したい」と述べた。
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