Googleのオンライン支払システム、「Gbuy」が米国時間6月28日にスタートする予定であることが、ウォールストリートのアナリストが6月9日に発表したリサーチメモから明らかになった。業界最大手でライバルのeBayとの競争が激化することは必至だ。
Gbuyは当初は無料で提供されるものの、いずれ業者には1件あたり1.5〜2%の手数料が課金されるようになると、RBC Capital MarketsのアナリストJordan Rohan氏はリサーチメモで述べている。これは、eBayのオンライン支払システムであるPayPalで請求される額よりも若干安い。
本件についてGoogleからコメントを得ることはできなかった。
「Googleは、商店と消費者の間の支払いを実現するプラットフォームであるGbuyを通して、利用業者からトランザクションデータを取得する。これをGoogleがいろいろ活用する可能性があり、この点がGoogleにとってのサービスを提供するメリットだ」(Rohan氏)
Googleは、業者が表示するGbuyのボタンをユーザーがクリックしたときに、データを収集することができる。消費者はそこからGoogleのGbuyサイトに誘導され、トランザクションを完了させる。
その結果、Googleは支払システムを利用して、ユーザーがどの有料検索をクリックし、実際の購買に結びついたかなどの情報を取得することが可能になる。この情報があれば、Googleは、広告主に投資利益率(ROI)の最も高いカテゴリーを提案できるようになると、Rohan氏は述べる。
しかし、Pacific Growth EquitiesのアナリストDerek Brown氏は、このデータがGoogleにとって貴重である理由をほかにも述べている。
このデータは、トラフィックを増加させるために広告リンクをどう配置すべきかを決めるための有益な指標になるほか、ユーザーの購買習慣を深く考察するための材料にもなる。さらにその結果、Googleがこれらのユーザーに検索広告をどんどん流せるようにもなると、Brown氏は語っている。
しかし、Googleがこの情報を使って業者が指定していたキーワードを中止し、キーワードを再度有効にしたい業者には高額な入札価格を請求する可能性を懸念する業者も出てくるかもしれないと、Rohan氏は語っている。
しかし、Googleにこれらのデータをとられることが分かっていても、スポンサード検索結果の横にGbuyのロゴを表示させたいと思う商用サイトは多いだろうとRohan氏はレポートのなかで指摘している。
「業者の観点から見ると、Gbuyロゴを表示し、『信頼できるGbuy業者』であることが明示されれば、ライバルとの差別化が期待でき、ひいては購買率やトラフィックの向上につながる」とRohan氏の調査レポートには書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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