Friendsterが米国時間8月30日、個人的に付けているBlogの内容に問題があったとして、従業員の1人を解雇した。同社は、オンラインソーシャルネットワーキングという新しい分野を開拓し、仲間うちでの自己表現を促進していることで有名な企業だ。解雇されたのは、カリフォルニア州サニーベル在住のウェブ開発者Joyce Park(35歳)だ。同氏は、個人的に書いていたBlog「Troutgirl」の内容が許容範囲を越えていると、30日に上司から告げられたという。また、最高経営責任者(CEO)Scott Sassaの決断だということ以外、解雇に関する説明は会社側から得られなかったと同氏は述べている。
「解雇される前に、私がBlogのなかでFriendsterに言及したのは、3回だけだ。3回とも、一般に公開されている情報しか掲載していない。Blogをつける場合の社内規定もなかったし、(自分の行為について)事前に警告があったわけでもない。Blogの記載を取り下げるように言われたこともない」(Park)
Friendsterの広報担当Lisa Koppは、従業員の人事についてはコメントしないと述べている。
今回の一件は、個人的にBlogを付ける会社員たちに対する警告でもある。Friendsterのような先端をいくウェブ企業においてでさえ、公共の場で行ったコメントが上司の目にとまってしまうと、やぶ蛇になりかねない。
Blogは、個人が自力でウェブ上に社会的な人脈を築く手段として多くの人から支持されてきたが、今回の解雇により、Blogブームが後退しまう可能性がある。また同時にこの事件は、新しい出版媒体が、企業コミュニケーション、ニュースメディア、オンラインコミュニティの役割を今後どのように変えていくのかという問題も提起している。
Blog上のコメントが原因で解雇されたのはParkが初めてではない。だが、ウェブユーザー間の人脈やコミュニティの促進を目指すネット企業で従業員が解雇されるのは、今回が初めてだろう。
例を挙げると、Microsoftは昨年、本社にAppleのコンピュータが配送されているところを写真にとって自分のBlogに掲示した契約社員Michael Hanscomを解雇している。
Friendsterが今回とった行動に対しては、「愚かだ」という批判の声があがっている。Parkは、愛社精神の高い従業員だったという。
「Friendsterはソーシャルネットワーキング企業であるはずだ。同社は、メディアというものを十分に理解していないのではないだろうか」と電子フロンティア財団(EFF)の弁護士Wendy Seltzerは述べている。
あるブロガーは、仕返しとしてアカウントを解約するようFriendsterの会員に呼びかけている。
Parkによると、同氏はそれまでJava J2EEで書かれた同社のウェブサイトをPHPに書き換えるため、今年1月に同社に採用されたという。新しいサイトは6月から運用が開始された。同社ではサイトのリニューアルについて大々的に宣伝しなかったが、外部の人たちのなかには、ウェブサイトのファイル拡張子が変わっていることに気が付いていた人も多い。
ちょうどその頃、Parkは自身のBlog「Troutgirl」のなかで、Friendsterの以前のサイトは処理が「遅かった」と述べた。このコメントは、すぐにハイテクマニア向けの情報交換サイト「Slashdot」で取り上げられた。さらに8月には、このことがInfoWorldの記事のなかで書かれることになった。また、Parkは近ごろ、ソーシャルネットワークはもっと進化すべきだといった内容のコメントをBlogに掲載している。
「私は、会社の信用を落とすようなことは何も言っていない。Friendsterのビジネスは、人々に自分自身の情報を公開するよう勧めることで成り立っている。私を解雇することは、Friendsterが自社のミッションを否定していることを意味する」(Park)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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