2003年9月に暫定的に承認された新ルールによると、ほぼ全ての機器でコピー防止技術の施されたデジタルケーブル信号の受信/解読ができるが、ただしコンテンツがコピー防止技術の施されていないデジタル形式で他の機器に送信されないとの確証があることが条件となる。そのため、たとえば、あるデジタルプログラムが保存されているTiVoのレコーダーから、そのプログラムをホームネットワーク上で他の機器にデジタル送信するためには、高度なコピー防止技術が施された状態に維持しておく必要がある。
コンピュータは除外?
ここで1つはっきりさせておくべき疑問は、ユーザーによるアップグレードや変更が容易なパソコンが、このコピー防止基準の下で安全な機器とみなし得るかという点だ。仮にパソコンが安全な機器に当てはまらないとすれば、Media Center PCなどを新たな収益源にしようと目論んでいる業界にとっては、大打撃となる可能性もある。
FCCはまだこの問題について最終的な判断を下していないが、これまでにパソコンを完全に規制する意図はないことを示唆している。そのため大半の業界関係者は、映像や音楽を楽しむために特別に設計されたいくつかのコンピュータ機器が、最終的には安全な機器として認められると予想している。そうした機器の例としては、大型の平面スクリーンを備え、キーボードのほかにリモートコントロールを使用するHewlett-PackardやGateway製のMedia Center PCが挙げられる。
MicrosoftやApple Computerなどのコンピュータ企業は、新たなルールによって、Wi-Fiなど一般的なホームネットワーキング技術を使ったデジタルケーブル信号の送信が禁じられるのを確実に阻止しようと躍起になっており、FCCに対し、この問題についての明確な説明を求めている。
またハリウッドの映画会社も、FCCに対し、デジタルケーブルをサポートする新たな機器に2つの機能を付加するよう求めている。この要求が実現されると、ホームネットワーク上の機器間でコンテンツをやりとりする方法に関して、これをコントロールする映画会社側の権限が大幅に拡大されることになる
その1つである、「選択可能な出力制御」と呼ばれる機能を使えば、特定の送り先の機器が安全でないと判断された場合、送り手の機器からの出力を中止することができる。この場合の「安全でない」とは、例えばある特定のコピー防止技術が破られ、もはや安全でないとみなされた場合などを指す。このシナリオ通りにいけば、たとえば消費者がある朝、TiVoのデジタルレコーダーに保存してあるテレビ番組を、もはや自宅の高品位テレビでは再生できないことに気付く、といった事態が起こるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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