つい先日、Salesforce.comが同社のCRM製品と「Google Apps」との統合を発表したばかりだが、その後を追うように、米国時間4月16日、ウェブベースの生産性およびビジネスソフトのメーカー、Zohoが「Zoho CRM Enterprise Edition」の機能強化を発表した。役割ベースのセキュリティ管理やSSLのサポート、Zohoのスプレッドシートとの統合、フィールドのカスタマイズなど、さまざまな機能が追加されている。
Zoho CRM Enterprise Editionの使用料は、ユーザー1人につき月額25ドルだが、最初の3人までは無料で使える。「Zoho CRM Professional Edition」の使用料は、4人目のユーザーから1人につき月額12ドルだ。
Zohoの親会社であるAdventNetの最高経営責任者(CEO)Sridhar Vembu氏は、4月14日付のブログの投稿で、競合するSalesforce.comのビジネスモデルに異を唱え、Salesforce.comでは販売およびマーケティングに研究開発費の8倍近くの費用がかかっている点を指摘した。
「これは『膨張したビジネスモデル』の見本のように、私には思われる。自分がSalesforce.comの顧客なら、販売に実際のコード作成の(8倍もの)費用が使われている状況を、心から喜べるだろうか?」とVembu氏は書いている。同氏はさらに、Salesforce.comのビジネスモデルは「進化の行き詰まり」だと述べ、「Zoho CRMの静かな人気」をアピールした。
現時点で、Salesforce.comのビジネスモデルは、4万1000人の顧客を獲得し、年間10億ドル近い売り上げを達成している。営業利益率は高くはないが、同社は業界の有力企業として地位を確立し、株価も悪くない水準にある。
Salesforce.comの販売費はいずれ減少するはずだ。さらにGoogleとの提携により、両社のオンデマンドサービスは市場に認められていくだろう。Zohoの開発手腕と低価格、さらにはVembu氏の言うZoho CRMの「静かな人気」は、今のところ、ビジネスモデルの画期的な変革を促すには至っていない。
また、Zohoは数カ月前、Salesforce.comに買収を持ちかけられて話し合いを行ったことがあると、Vembu氏のブログは明かしている。Vembu氏が両社の企業文化は相いれないとして提案を断ったところ、Salesforce.comのCEO、Marc Benioff氏が、Zoho CRMの開発を完全に取りやめるなら、ZohoをSalesforce.comの「AppExchange」に取り入れてもいいと食い下がってきたとのことだ。
Zohoは、魅力的なクラウドベースのアプリケーション群を急速に拡充している。今回のZoho CRMの機能強化に続いて、「Zoho Sheet」にマクロ機能およびピボットテーブルのサポートが追加される予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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