メディア配信サイトからデスクトップ型のプログラムに至るまで、高機能なオンラインアプリケーションを作成するウェブ開発者にとって、RIAは今きわめて人気の高いソフトウェア開発環境の1つになっている。
「Ajax」タイプのプログラミングは、スクリプト言語のJavaScriptを活用することの多い手法であり、マッピングサービスやWeb 2.0型のソーシャルネットワーキングサイトなど多くのウェブサイトで、人気の高いユーザーインターフェース作成方法となっている。
Adobe Systemsは、メディアリッチなユーザーインターフェースの開発に広く使われている「Adobe Flash Player」と、関連の開発ツール「Adobe Flex」に莫大な資金を投じている。
また、Microsoftは4月30日、ブラウザ用プラグインと開発ツールのセットである「Silverlight」のベータ版を発表し、RIAの分野に登場した。Laszlo SystemsやNexaweb Technologiesなど、RIA作成用のプログラムを専門に開発している小規模企業もある。
Java対応の製品とベンダーは「エコシステム」と言えるほど数多いが、Javaによるフロントエンドの設計は互換性とパフォーマンスの問題から難しくなっていると、調査会社Burton GroupのアナリストRichard Monson-Haefel氏は言う。
「これこそがJavaの訴求点でなくてはならない。1990年代後半に、Sunがアプレットのパフォーマンスとブラウザの非互換性問題であれほど手ひどい失敗をしたことは悲劇と言える。JavaFX Scriptは名誉挽回のチャンスだ」(Monson-Haefel氏)
Sunによると、「Java Platform, Standard Edition(Java SE)」で開発を行っているプログラマーの数はすでに500万人に達しているという。また、小型機器向けの縮小バージョンである「Java Platform, Micro Edition(Java ME)」は、すでに世界中の20億台の携帯電話にインストールされているとGreen氏は言う。
さらに、一般消費者向け機器にこれほど普及しているうえに、Javaはサーバソフトウェアメーカーにも同じくらい広く普及しており、Javaベースのバックエンドソフトウェアは、IBM、Oracle、BEA Systems、Sunなどの企業に莫大な利益をもたらしてきた。
したがって、Sunを始めJavaのライセンスを持つ企業各社は、JavaFX ScriptとJavaFX Mobileを利用して、これまでよりはるかに魅力的なRIA用製品を提供するようになるだろうと、Monson-Haefel氏は語る。
スクリプト言語は、動的言語とも呼ばれ、アプリケーション開発の主流として人気が高くなっており、とくにこの2年ほどはウェブアプリケーションの開発で支持されている。ウェブサイトの制作者や企業の開発者の多くは、JavaやMicrosoftの「.NET」に代わって、軽量なスクリプト言語を選ぶようになっているのだ。
しかし、Java対応のスクリプト言語には、「Ruby」「PHP」「Python」といった他の言語にはないメリットがある。それは、Javaのプログラマーが自分の技術と知識を簡単に移行できることだ。Monson-Haefel氏によると、Ajaxアプリケーションなどでよく使われるJavaScriptといった言語へJavaから移行することは、「まるで外国に移住するようなものだ」という。
「Java Runtime Environment」は、すでにおびただしい数のPCにインストールされ、定期的に更新されているが、JavaFX Scriptで記述したアプリケーションはこのソフトウェア上で実行可能だ。また、Adobe Systemsの「Apollo」と同じように、ウェブブラウザベースのアプリケーションの開発にも、クロスプラットフォームのデスクトップアプリケーションの開発にも、同じツールが使用できる。
JavaFX Mobileは、新興企業SavaJe Technologiesの持つ知的財産をSunが買収したことによって得た技術だ。同社は、Java対応の携帯電話機間で互換性のあるアプリケーションを作成できるソフトウェアを開発している。
Java MEはすでに多くの携帯電話にインストールされているものの、実装の違いによって互換性の問題が生じている。JavaFX Mobileソフトウェアは、通信事業者や携帯電話機メーカーを対象としており、こうした違いを解消し、共通のタスクを実行できる携帯電話アプリケーション群を提供するものだとGreen氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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