ハイパーバイザーが行う変換作業を「シャドウページング」と呼ぶ。Sander氏は「この技術は実装が複雑で、処理速度の低下にもつながる」と述べる。だが、Barcelonaでは「ネステドページテーブル」や、メモリアドレスのキャッシングといった技術がメモリ管理速度の向上につながると、同氏は述べる。
メモリ管理はハイパーバイザーの処理時間の最大75%を占めることを考えると、非常に重要な問題だと、同氏は語っている。
Barcelonaにはさらに、ゲストOSモードとハイパーバイザーモードとで動作モードを切り替える際にかかる時間を短縮する新しい命令も追加されている。一般的に、このような切り替えには約1000〜2000プロセッササイクルが必要だが、これが約25%短縮すると、Sander氏は語っている。
Sander氏は講演の席上で、Barcelonaのほかの機能についても説明した。例えば、同氏によれば、Barcelonaでは、各プロセッシングコアごとに64Kバイトの一次キャッシュと512Kバイトの二次キャッシュを搭載するという。また、4つのコアすべてで共有する2Mバイトの三次キャッシュは容量を拡大することもできるという。
Barcelonaは、現行のOpteronより大容量の物理メモリに対応する。現行のOpteronは最高1テラバイトの物理メモリをサポート可能だが、Barcelonaではこれが256テラバイトまで拡大されると、同氏は述べている。
Intelは、現行世代のデュアルプロセッササーバ用のメモリをFB-DIMM(Fully Buffered Dual Inline Memory Module)に切り替えたが、AMDは当面この技術の採用を見送ると、Sander氏は語っている。BarcelonaはFB-DIMMにも対応するが、DDR2(Double Data Rate 2)メモリより消費電力と通信ディレイが大きいことが、採用を見送った理由だという。
Sander氏は、AMDではFB-DIMMへの移行を「適切な時期」に実施すると述べ、おそらく同技術の第2世代であるFB-DIMM 2が登場してからになるだろうと付け加えた。
さらに同氏は、Barcelonaではメモリデータの読み書きに使用されるメモリコントローラが2つ実装されることを明かした。これは現行のOpteronと同じだが、Barcelonaではそれぞれのメモリコントローラが独立して動作できるようになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」