Advanced Micro Devices(AMD)が、新製造施設からのプロセッサの出荷を開始した。ただし、この施設が建造されたそもそもの目的である次世代チップの出荷開始は、もう数カ月先になりそうだ。
AMDは、ドイツのドレスデンで現地時間4月4日に行われた記者会見で、新製造施設のFab 36工場で90ナノメートル(nm)製造プロセスのプロセッサ生産を開始したと発表した。
Fab 36では65nm製造プロセスをベースにした最新型の開発試験チップも製造が始まっている。ただし、同社では、量産体制が整い出荷が開始されるのは2006年後半になるだろうとの見通しを改めて示した。
AMDでは2008年までにPC向けプロセッサのマーケットシェアを30%にまで引き上げたいとしており、今後もFab 36を整備してこの目標達成に十分な製造能力を確保したいと考えている。
65nm製造プロセスの実現は、2006年にチップメーカーが直面している大きな課題の1つだ。このプロセスで作られたチップは90nm製造プロセスのチップよりも小型かつ高速で、結果的に製造コストも下がる。多くの要因がからむので一概には言えないが、新しい65nmプロセスに素早く移行した企業が、遅れをとった競合他社からマーケットシェアを奪う可能性も出てくる(65nm、90nmという数字は、それぞれチップを構成する諸要素の平均サイズに関係している)。
Intelは2005年にPC市場向け65nmチップの出荷を開始しており、2006年末までには65nmチップを製造する工場を4つに増やす予定だ。
Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は、同社は65nm製造プロセスで競合他社に先行しており、さらに新しいチップ設計を採用することで、今後はマーケットシェアを取り戻せるだろう、と3月の取材で答えている。
これに対し、AMDも自社の製造力はこれまでと比較して格段に向上したと反論している。それでも、同社はIntelに数カ月の遅れをとっている。AMDが65nm製品へ実質的に移行するのは、現在の計画では2007年中頃だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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