サンフランシスコ発--Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は、チップ業界で競合するAMDがこのところ売上を伸ばしているが、同社はこれを軽視するつもりはないと話した。
米国時間3月7日、現地で開催されている「Intel Developer Forum」で記者からインタビューを受けたOtellini氏は、同社の製造力と、2006年後半に発表する新たなチップをあわせれば、最近AMDに奪われたマーケットシェアを取り戻す体制が整うと述べた。
「当社で最も競争力が高い資産は、65ナノメートルプロセス、300ミリメートルウエハでの大規模な製造力だ」と、Otellini氏は言う。Intelは2006年末までに、こうした工場を4カ所に開設し、現在は多数のチップの製造に当たっている90ナノメートルプロセスの工場で、チップセットの製造を開始する計画を立てている。
一方AMDは、2006年後半に65ナノメートルプロセスでの製造を始めると見られている。65ナノメートルプロセスに力を入れることで、両社はより高速なチップを安価に製造できるようになるはずだ。
Intelはさらに、同社製品のパフォーマンス面における優位性をもたらす可能性のある、新たなアーキテクチャに基づいたチップ製品ファミリを発表しようとしている。Otellini氏は、「場合によっては、この製品がわれわれのモビリティ分野での主導権を確立し、それを拡大するだろう」と述べ、その他の市場では、「(同チップを提供することで)他社と互角だったところから、優位に立てるようになる」と続けた。
この新アーキテクチャを採用したデスクトップ用チップ「Conroe」が第3四半期に、「Merom」(ノートPC用)および「Woodcrest」(サーバ用)が2006年後半中にリリースされる予定だ。
Otellini氏はマーケットシェアに関する予想は口にしなかったが、Intelはこれまで、チップアーキテクチャの利用を開始し、新たな製造プロセスを整えた際には、増収を実現することが多かった。486チップからPentiumに移行したときも、Pentium IIIからPentium 4に移行したときも、同社は売上を増やした。
AMDでワールドワイドセールスとマーケティングを担当するエグゼクティブバイスプレジデントHenri Richard氏は、米国時間3月6日にインタビューを受け、Intelが自己満足に陥り、粗利を固守することにこだわったため、AMDはシェアを獲得することができたと語った。
これに対しOtellini氏は、「(AMDのRichard氏は)自己責任のうえで、信じたいように信じればよい」と言い放った。
新たなマーケットの成長PCに対する需要を活性化するため、Intelはコンピュータ製造企業と協力して、コンピュータのデザインや、新しい用途に関する取り組みを積極的に進めようと計画している。こうした取り組みが反映された例の1つが、IDFに出品されている「Ultra Mobile PC」デバイスのプロトタイプだ(Intelの別の幹部によれば、このポケットサイズコンピュータの初めての製品が数週以内に小売店に並ぶ予定だという)。
Intelはこれと同様に、テレビやステレオと併用する家庭用エンターテインメントPC向けの技術である「Viiv」を、コンピュータメーカーとともに推進していく構えだ。Otellini氏によると、Viivチームは、2006年に初めて出荷されるViiv PCについて、「Centrino」プラットフォームが発表された初年の同ノートPC出荷数を超えるようにしたいと、目標を定めているという。Viivはすでに8カ国でリリースされている。
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