Adobe Systemsは、PDF文書内に3D(三次元)画像を表示可能なハイエンド版Acrobatを開発した。その狙いは、製造業界の売上アップを図ることにある。
Adobeは米国時間23日に、「Acrobat 3D」のリリースを予定している。このソフトでは、CAD(コンピュータ支援設計)アプリケーションで作成した画像を含むPDF(Portable Document Format)文書の作成が可能だ。同社によると、Acrobat 3Dファイルの文書を見るには、現在のAcrobat Readerバージョン7へとポイントアップグレードする必要があるという。
AdobeのシニアマーケティングマネジャーのRak Bhallaによると、Acrobat 3Dは、設計過程の中で定期的にCADファイルを交換する製造業界の顧客を主なターゲットにしているという。例えば自動車メーカーは、部品の納入業者から入札を募るために、業者に自社製品の説明書や設計図を提供している。
Bhallaによると、今日の設計技師らは、通常、二次元の画像を作成し、それらを電子メールで送信しているという。3D画像が組み込まれた文書を関係者が回覧し、注意事項を付記できれば、共同設計プロセスは迅速化し、ミスも減る、と同氏は指摘する。
「Acrobat 3Dは、シリーズ初の特定市場向け製品だ」(Bhalla)
Acrobat 3Dは、潜在的価値のある設計のコピーを制限できるセキュリティ機能を備える。またBhallaによると、同ソフトは主要なCADソフトで作成した画像の表示が可能だという。
Bhallaによると、Acrobat 3Dで作成した文書は、CADソフトを使用する設計技師以外にも多くの人々が利用することになるという。同氏は、製品の文書化や保守といったサポート業務で、設計技師以外のおよそ30人がそれぞれ3D文書を使用すると見ている。なお、同ソフトの1コピーあたりの販売価格は995ドル。
BhallaはAcrobat 3Dのその他の潜在的市場として、日常的に設計図やCADソフトを使用する建築、工学、建設の分野を挙げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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