Adobe Systemsは米国時間9日、DRM(デジタル著作権管理)事業の買収を発表し、自社のビジネスワークフローソフトウェアにドキュメント保護機能を付加する予定だ。
Adobeが今回買収したのは、非公開企業のNaviswareが開発したソフトウェア「FileLine Digital Rights Management」。買収金額は公表されていない。同著作権保護プログラムは、開発ドキュメントなどの企業が所有するファイルをIP(知的所有権)の盗用から守ることを目的とした製品だ。
Adobeは、買収した技術を、PDFドキュメントを更新・管理する自社サーバ製品「LiveCycle Document Services」に統合する計画だ。FileLineは、PDFファイルを保護するだけでなく、「Microsoft Office」やCADドキュメントも保護できるという。
FileLineにより、企業はドキュメントの利用形態、時期、利用者を厳密に管理できるようになる。また、検査ログ機能もあるため、誰がドキュメントにアクセスしたかが分かり、不適切な利用や内容開示の有無を把握できる。そのほかにも、バージョン管理機能により、誤って古いドキュメントを配信することも防ぐという。
Adobeは法人市場でMicrosoftおよびIBMと競合しており、この分野の事業強化を図っている。同社にとってLiveCycleは重要な製品であり、継続的に新機能を付加している。2005年9月には、2004年に買収したワークフロー設計技術を加えたLiveCycleの最新版をリリースしている。
今回Adobeは、Microsoft Officeのドキュメント保護機能も加えることで、Microsoftのシェアに食い込むことを考えている。Adobeは2005年、ウェブアプリケーション開発ツールを提供するMacromediaを買収することで、Microsoftとの競合を強めていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス