IBMは、ECMA InternationalがMicrosoft Officeのファイルフォーマットを標準化するために設置した委員会に参加しない意向であることを、同社の幹部が米国時間20日に明らかにした。
IBMは、スイスのジュネーブに本部を置く標準化団体ECMA Internationalのメンバーであり、「ECMA 45」というこの委員会に参加することができる。同委員会では、 Microsoft Officeの次期バージョン「Office 12」で使われるXMLベースの文書フォーマットを国際標準とするための作業を進めている。Microsoftは先週、ECMAに対して、1900ページに上る 「Open XML」の仕様書を提出していた。
しかし、IBMのBob Sutor(標準およびオープンソース担当バイスプレジデント)によると、同社は少なくとも現時点ではこの委員会に参加しないことに決定したという。
「われわれにとって、現時点ではあまりに多くの選択肢がありすぎるため、同委員会に参加して何かを行うことはできないと思う。設立の趣旨を見る限り、Microsoft以外の者がやるべき事柄も明らかでない」とSutorは米国時間20日に語った。
IBMは、「OpenDocument」という文書の作成/保存に関する別の標準を強力に後押ししており、同フォーマットを次の「Workplace」で事実上の標準フォーマットに採用する意向を示している。
Sutorによると、Microsoftは自社の文書フォーマットが「標準」であるとのお墨付きを、ECMAから得ようとしているという。同氏は、ECMAの委員会はMicrosoft関係者が共同委員長を務めていることから、Microsoft以外の企業が影響力を及ぼせる可能性はないように思えると述べた。
Microsoft関係者からはこの件に関するコメントは得られなかった。同社は先週、ECMAと標準化プロセスについて説明したFAQを公開していた。
Sutorによると、ECMAの標準化委員会は向こう1〜2年以内に、Office Open XMLとOpenDocumentとを融合することを検討すべきだという。
「われわれが望んでいるのは柔軟性だ。いくつかの融合のシナリオを見てみたい。これは基本的にはコミュニティ先導で決められるべき事柄だ。現時点で決められるべきではない」(Sutor)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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