ビジネスソフトウェア開発の世界には、Microsoftの.NETツールセットとJavaの2つの大きな流れがあるが、ここへ来て、3つ目の潮流が生まれる可能性が出てきた。
企業コンピューティングの主役の座を狙っているのは、「LAMP」と呼ばれるオープンソースソフトウェアスタックである。LAMPには、LinuxオペレーティングシステムやApacheウェブサーバ、MySQLデータベース、さらにスクリプト言語であるPHP、Perl、Pythonなどが含まれている。
ActiveGridは、LAMPスタックに力を注ぐ新興企業の1つである。同社は米国時間13日、MySQL、Apacheを提供するCovalent、Linux企業Novell、PHPツールメーカーZend Technologiesといった企業との提携を発表し、LAMPに新たなソフトウェアを追加して、大企業ユーザーを獲得していく方針を明らかにした。
一般企業におけるオープンソースへの関心が高まる中、前述のようなLAMP推進企業らは、同ソフトウェアスタックの統合性を強化し、Microsoft .NetおよびJava製品に対する競争力を高めて、産業界で優越的な立場に立とうとしていると、RedMonkのアナリストStephen O'Gradyは分析する。
「LAMPはいまだに、問題なく連携する保証のない、雑多な製品の寄せ集めだととらえられている節がある。だが、同スタックの内部や上位で動作する種々のコンポーネントは、LAMPの新たなソフトウェアスタックとしての魅力を倍増させ、その普及に大きく貢献している」(O'Grady)
LAMPスタックの各コンポーネントは、どれも特別新しいものというわけではない。しかし、ベンダーやユーザー、ベンチャー投資家などは、そうしたコンポーネントの集合体(あるいは、同様のオープンソーススタック)を、ビジネスアプリケーション開発/稼働のための統合的なプラットフォームとして認識するようになってきた。ここでいう「スタック」は、各層が別の層の上に重ねられているという、垂直的な構造を指すのではない。LAMPスタックは、組み合わせることで多様なWebアプリケーションを作ることができる基礎的なコンポーネントを、比較的柔軟な形で1つにまとめたものなのだ。
一部の企業は、Microsoft .NetやJava 2 Enterprise Edition(J2EE)といったサーバソフトウェアおよびツールではなく、オープンソースソフトウェアを使ったビジネスを展開する方向へ向かっている。ほとんどの場合、こうしたケースの背後には、LAMPの競争力を高めて企業ユーザーの気を引きたいという意図がある。
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