サンフランシスコのある新興企業は、低価格サーバとオープンソースソフトを使って大規模なウェブアプリケーションを簡単に構築できるようにしたいと考えている。
ActiveGridは米国時間16日、Hummer Winblad Venture PartnersとAllegis Capitalから創業資金として300万ドルを調達したと発表した。同社は、ネットワークを介して結ばれた複数のLinuxサーバ上で稼動するビジネスアプリケーションを構築するための開発ツールとサーバソフトウェアを提供する。
ActiveGridの役員には、Mitchell Kertzmanと、Jean-Louis Gasseeが就任する。Mitchell KertzmanはHummer WinbladのパートナーでLiberate TechnologiesのCEO(最高経営責任者)を務めたこともある人物。Jean-Louis GasseeはAllegisのゼネラルパートナーで、Beの元CEOだ。
企業が大規模なウェブサイトなどの大型アプリケーションを構築する場合は、IBMやBEA Systemsなどの企業から高価なインフラソフトウェアを購入し、大型サーバで運用するのが一般的だ。しかしActiveGridは、複数の低価格サーバを使ってウェブアプリケーションを運用することで、これと同等の処理能力を低コストで実現できると考えている。
ActiveGridの経営陣によると、同社の製品は、Javaアプリケーションサーバソフトウェアやツールに代わる機能を、より安くシンプルに実現するものだという。
ActiveGridのソフトウェアは、オープンソースの「LAMP」によって構築されている。LAMPとは、オペレーティングシステムのLinux、ウェブサーバソフトウェアのApache、データベースのMySQL、開発ツールのPHPの頭文字をとったもの。
PHP、Perl、Pythonのようなスクリプト言語を書き慣れた開発者であれば、同社のツールを利用して、XMLを用いたウェブアプリケーションを容易に開発できる。ActiveGridのCEO、Peter Yaredによると、Javaよりスクリプト言語の方が習得しやすく、XMLを用いたデータ処理にも適しているという。さらに開発者は、XMLベースのプロトコルである「Webサービス」を利用してビジネスプロセスを自動化することもできる、と同氏は述べる。
ActiveGridのサーバソフトウェアは、複数の低価格サーバに並列処理を行わせることで、大量の処理を実行できるように設計されている。この手法は、Googleなどでも大規模ウェブアプリケーションを運用するのに利用されている。
調査会社Burton GroupのアナリストAnne Thomas Manesは、LAMPで大規模なウェブアプリケーションを構築するというActiveGridのアプローチは、Javaアプリケーションサーバソフトウェアを販売する企業にとって脅威となる可能性があるという。
「IBMにどれだけ深刻な影響を及ぼすか不明だが、製品比較の対象としては非常に興味深い」(Manes)
同社は、サーバソフトウェアやツールをプログラマにフリーソフトとして公開する一方で、大企業顧客に対しては付加価値の高い製品を有料で提供していく。これは、新興のソフトウェア企業がよく採用するビジネスモデルだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」