デルとEMCは27日、共同で記者会見を開催し、Dell|EMCブランドの新ストレージ製品「Dell|EMC AX100」を発表した。ローコストでSAN(Storage Area Network)構築が可能となるこの新製品の最小構成価格は99万4350円で、「日本で初めての100万円以下のストレージ製品だ」と、デル代表取締役社長の浜田宏氏はアピールする。
浜田氏は、IDCやGartnerなどのデータを基に、ストレージ市場におけるローエンド製品が市場全体の2倍の速さで成長すると述べ、「2006年には全体で110億ドルのストレージ市場のうち、40億ドルの市場を5万ドル以下のローエンド製品が占める」と語る。デルはサーバ市場でも製品のローコスト化を実現しており、「ストレージ市場でもデルはサーバと同じビジネスモデルで進める。ストレージ市場にもデル効果が浸透するだろう」(浜田氏)としている。
左から、米EMCシニアバイスプレジデント ジョエル・シュワルツ氏、デル代表取締役社長 浜田宏氏、EMCジャパン代表取締役社長 中山隆志氏 |
「DAS(Direct Attached Storage)並みの価格でSANの構築が可能」という低価格性がAX100の最大の特徴だが、同製品ではインストールやメンテナンスの簡素化も実現しているという。米EMCシニアバイスプレジデントCLARiX事業本部ジェネラルマネージャーのジョエル・シュワルツ氏によると、「これまでの製品では、Dell|EMCのプロフェッショナルサービスでインストールを行った場合でも、実際に箱を開けてから使い始める状態に持っていくまで6時間は必要だった。しかし、AX100は購入企業の担当者がインストール作業を1時間以内で行うことも可能だ」という。
またAX100には、これまでのストレージ製品では別売りとなっていた運用・管理ツールが標準で同梱されており、「管理ソフトウェアのコストが別途かからないことも大きな特長だ」(デル エンタープライズシステムズマーケティング本部エンタープライズソリューショングループ本部長 多田和之氏)という。同梱されるソフトウェアは、Array-based Management Utility、Path Management、Shared Storage Control、Snapshot Managementとなっている。
デルとEMCの提携関係は2001年10月にはじまり、昨年6月には当初5年間の予定となっていた提携期間を2008年12月までと、2年間延長している。米EMCのジョエル・シュワルツ氏は、両社の提携関係は非常に良好で、「2002年から2003年のCLARiXの売上は60%も成長した。ストレージ市場全体が7%の成長に止まっていることを考えると、デルとEMCの提携がいかに成功し、CLARiXの成長に結びついているかがわかる」と語る。
両社は製品発表と同時に、提携関係をさらに強化し、共同営業体制を確立すると発表している。2004年5月より、両社合同の営業組織を編成、EMCの営業担当者がデルの法人営業部に常駐するとともに、共同で営業活動を行うという。EMCジャパン代表取締役社長の中山隆志氏は、「EMCはこれまで主にハイエンド製品の直販を中心としたビジネスを行っていたが、パートナービジネスが重要だと感じている。特にEMCが弱い分野であるコマーシャル市場をデルに担当してもらい、同市場でのブランドイメージを確立したい」と述べた。
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