デルコンピュータとEMCジャパンは17日、両社がストレージビジネスにおける戦略的提携期間を延長したとの米国の発表を受け、都内にてDell|EMC製品のこれまでの実績と今後の方向性などについて共同記者会見を行った。
デルとEMCの戦略的提携は、2001年10月に当初5年間の予定で契約したものだ。米EMCシニアバイスプレジデント ミッドレンジシステム本部長のJoel Schwartz氏は当時を振り返り、「90年代はひとつのプラットフォーム戦略であらゆる層の顧客をサポートしていた。しかし2001年にあらためて市場分析を行ったところ、ハイエンド向け製品に関しては市場シェアを握っていたが、急成長するミッドレンジやローエンド向け製品にも力を入れることが必要だと判断した」と語る。
今回両社は提携期間を2008年12月まで延長すると発表したが、それはDell|EMCブランドのストレージシステムが全世界で4100社以上の顧客を獲得したことや、ミッドレンジ市場における2002年第4四半期の成長率が50%、2003年第1四半期の成長率が80%と、業界内でも際立った成長率を示したことなどによるものだ。日本では、TSUTAYA Online、オリンパス、新生銀行などがDell|EMC 製品を導入している。
米EMCシニアバイスプレジデント ミッドレンジシステム本部長、Joel Schwartz氏 | |
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製造は全世界にてデルが行うよう製造契約を締結し、日本向けには2003年4月よりマレーシア工場での製造を開始している。また、低コストのATAテクノロジーと高性能のファイバチャネルテクノロジーを統合させたSAN(Storage Area Network)システムを発表し、これまでのテープバックアップから高速なディスクによるバックアップが可能になるとともに、ストレージのコスト削減が実現できるという。
また、今週新たに製品強化が発表されたミッドレンジ製品CLARiX CX200は、ATAドライブ機能が追加されて容量が増加したのに加え、ソフトウェアを停止させずにアップグレードが実行可能となるなど、使いやすさも向上している。同時にストレージ管理ソフトNavisphereの日本語対応も今週発表され、90年代前半に発売開始されたCLARiXシリーズの全てが同ソフトでサポート可能となる。
デルコンピュータの営業技術支援本部長、長谷川恵氏は、「デルはこれまで業界内のプロプライエタリなものをコモディティ化し、製品に親しみを持たせるよう引っ張っていく役割を果たしてきた。このビジネスモデルをEMCのハイエンド製品と統合させ、ストレージの位置づけを変えていきたい」と語る。同氏によると、両社の提携により「従来の半額程度でネットワークストレージの構築が可能になる」とのことだ。
デルとEMCでは、DellサーバとDell|EMCストレージを組み合わせたデモンストレーションの場として「Dell|EMCブリーフィングセンター」を新宿に開設するなど、積極的な共同活動を行っている。今後の販売戦略は、「ミッドレンジ製品を専用に販売する代理店とのパートナービジネスを強化し、直販営業とともにリセラー形態で協業体制を作っていきたい」(EMCジャパン パートナー&アライアンス マネージングディレクター、湯佐嘉人氏)としている。
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