4月18日、東京都内で「mozilla.party.jp 5.0」が開催された。今年で5回目の開催となったこのイベントでは、オープンソースデスクトップに焦点をあて、いくつかのセッションが行われた。
まず、「オープンソースデスクトップの現在」として、MozillaやOpenOffice.org、KNOPPIXが紹介された。最初の講演はもじら組の福澤俊氏がオープンソースのブラウザとしてのMozillaの意義を語った。
もじら組の福澤俊氏 |
Mozillaの最大の特徴は、オープンソースプロダクトとしてソースが公開されていることだ。また、バグを管理するためのBugzillaやCVS アーカイブのコンテンツに対して検索を実行できるbonsaiといったツール類も充実している。また、組織構成員を限定せず、誰でもが参加することができる開放性も特徴の1つだろう。
さらに、リリースサイクルの短さも挙げられる。第4回のMozilla.Partyが開催された2003年4月19日からの約1年間だけでも、18回のリリースが行われている。現在公開されている正式版はMozilla 1.6で、ポップアップ広告や迷惑メールをブロックする機能が実装されている。また、テクノロジープレビューとしてMozilla 1.7 Beta、軽量ブラウザのMozilla Firefox 0.8、メール・ニュースクライアントのMozilla Thunderbird 0.5なども公開されている。
マルチプラットフォームに対応している点も特徴的だ。公式にはWindows、Mac OS X、Linuxの3プラットフォームに対応している。非公式な動作環境にはMac OS 9や、Zaurusなども挙げられている。マルチプラットフォームに対応しているということは、「全て同一のソースを利用しており、同じ出力を他のプラットフォームでも再現できる」(福澤氏)ということだ。もちろん、何らかのバグが発見されれば、他のプラットフォーム版でも同種のバグが発生する。
Mozillaでは、WebサービスとしてSOAP、WSDL、UDDIの利用が可能だ。一方、セマンティックウェブには部分的な対応しかしていない。福澤氏は、「ブラウザは単なるHTMLビュ−ワとしては極点を迎えていると思う。現在発売されているクライアントPCの中にウェブブラウザが搭載されていないという状況は考えられない」と語る。そこで、セマンティックウェブのような規格としてまだまだ発展途上の新技術に対して、どのように対応していくかが重要になるというのだ。福澤氏は、「ウェブ上で未開拓のエリアだからこそ、Mozillaなりブラウザ開発のイノベーションが一番起きうる場所だと思う」と述べる。
さらに福澤氏は、「ブラウザは単なるブラウジングだけでなく、データの出力のためのアプリケーションだ」とコメント。Mozillaはすでに基本的な要素に対応しているという。そして、そのような方向性になった場合の利点として、「オープンソースであるため、内部のソースにまで手を入れて開発することができる。また、標準指向のため、独自規格による混乱がないほか、XULを使った場合、マルチプラットフォームによるアプリケーション開発ができる」と語る。
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