IBMはメインフレーム製品発売40周年を祝う一方で、数十億ドルの規模を持つこの市場で競合企業がまだ同社からビジネスを奪おうとしていることに気付いている。
今年の9月末に、IBMは一部のメインフレーム用アプリケーションのサポートを打ち切る予定だ。これに伴って発生する大規模なシステムの移行から、ライバル各社は利益を上げたいと考えている。IBMの顧客は10月以降、同社のサポートなしでメインフレームアプリケーションを使い続けるか、料金を払ってサポートを延長するか、もしくは別のサーバの購入を検討しなければならなくなる。
IBMは、メインフレーム用オペレーティングシステムOS/390のバージョン2.10のカスタマーサポートを9月末で終了する。これに合わせて、同社では顧客に対してz/OSバージョン1.4へのアップグレードを促している。OS切り替えのコストは高くなる可能性があるため、MicrosoftやSun Microsystems、Oracleなどのライバル企業では、9月30日のサポート終了を魅力的な売上の機会ととらえてチャンスを窺っている。
IBMは、旧型のメインフレーム顧客を、最新のメインフレームサーバ「zSeries」へ移行させようとしてる。G3やG4マシンを利用する顧客には、G5およびG6マシンに移行するよう勧めているが、これらのシステムのコストは全体で数百万ドルに上る可能性がある。同社はサポート中止という形で期限を設定することにより、最新のメインフレーム技術を採用するよう顧客に働きかけている。
9月30日のサポート打ち切りで、顧客はソフトウェアとハードウェア両方のアップグレードが必要となる場合があるため、通常のメインフレームのアップグレードよりも大きな問題になると、アナリストらは述べている。なお、リサーチ会社Gartnerによると2007年にもまた大型な移行が必要となるという。
これを機にメインフレームを廃止する顧客もある。ルイジアナ州のチューレーン大学もその1つで、同大学は昨年メインフレーム用アプリケーションの1つの利用を停止しており、2年以内にメインフレームシステム自体を廃止する計画だ。
「わが大学では2年以内にメインフレームの利用を停止する。問題は価格だけではないが、価格が決定的な要素となった」とチューレーン大の情報統括責任者(CIO)兼IT担当バイスプレジデントのJohn Lawsonは説明している。
同大では、メインフレームから撤退し、現行のメインフレームアプリケーションをWindowsやUnixサーバに移行することで、年間のライセンス料を約50万ドル節約できると予想している。
同大学での最初の移行プロジェクトにあたる、Windowsサーバへの予算管理アプリケーションの移植では、約24万ドルが節約できる見込みだ。Lawsonは、新たなWindowsアプリケーションにも、メインフレーム上で稼動する場合と同様の安定性があるとみている。しかしWindowsでは、メインフレームの場合よりも、IT管理者がパッチ適用やOSの理解に熱心に取り組まねばならなくなると、Lawsonは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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