米IBM、メインフレームの最上位機種を発表

 米IBMは7日(米国時間)、同社のz990メインフレーム製品に、ハイエンド向けの2つのモデルを追加した。また、これとあわせて顧客にブレードサーバやその他のIBM製品を試してもらうためのプロモーションを行うことも発表した。

 IBMが、今年5月に初代のz990(コードネーム 「T-Rex」)を販売し始めた時には、8プロセッサ搭載のModel Aと16プロセッサ搭載のModel Bという、2つのモデルがあった。IBMによると、今後は24プロセッサ搭載のModel Cと32プロセッサ搭載のModel Dも販売するという。

 同社では、この新型システムを性能以外の点でも魅力あるものにしようとしている。まず、 z990を購入する顧客が、同時にWebSphere Eコマース・ソフトウェア、BladeCenterサーバ、そして複数のコンピュータ間でジョブ共有を行うためのグリッドソフトウェアを購入する場合には、最大で25万ドルのディスカウントを行う。また、IBMには数百人の社内「システムアーキテクト」と呼ばれる人材がいるが、この新しいタイプの技術専門家が顧客を助け、複雑なシステムを一元管理されたメインフレームに整理統合する作業を進めるよう、彼らに訓練を受けさせている。

 メインフレーム、ブレードサーバ、グリッドソフトウェア、そして一部のWebSphereテクノロジーはすべて、IBMの進めるオンデマンドコンピューティングの取り組みの一部として、ハードウェアとソフトウェアを、変化し続ける作業負荷の要求にうまく適応できるようにする役割を担っている。

 IBMはこれまで、伝統を誇るメインフレーム・システムを、Linux OSのような新しい技術を使って再生させようとしている。これは、メインフレームが過去の遺物で、やがては消えゆく運命にあるとの捉え方に対抗しようとするものだ。この計画の成功の鍵を握るのは、信頼性や柔軟性といった特長を改善しながらパフォーマンスを引き上げ、 米Sun Microsystemsや米Hewlett-Packard(HP)、そして自社でも扱うUnixサーバに対して、メインフレームならではの優位性を打ち出すことである。

 だが、メインフレームが高価であることに変わりはない。z990は最下位モデルでも100万ドル以上となっている。

 IBMの話では、この他にも以下のような新機能が10月31日までに用意される見込みだという。

  • IBMは、オン/オフ式のキャパシティ・オンデマンド機能を改善した。これは、顧客が計算処理の瞬間的な急増に対処するために、処理能力を一時的に有料で追加できるというもの。IBMによると、同社のz/OSメインフレームOSで動作していたオン/オフ式の機能が、新しいLinuxコンピューティング機能の追加にも利用できるようになるという。
  • 複数のメインフレームを結合させるz990のParallel Sysplex技術が、最大約100キロ離れたメインフレームでもリンクできるようになる。さらに、IBMは暗号化通信の速度を向上させるべく、暗号コプロセッサの利用も可能にしている。
  • z990のLinuxパーティションが、Fibre Channel技術を利用するネットワークストレージシステムとも通信できるようになる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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