IBMのS/360は、同社メインフレーム製品の流れをつくりだしたコンピュータだが、7日(米国時間)はそのS/360が発売されてから40年めにあたる。しかし、同社のメインフレームビジネスは一向に衰えを見せていない。
これまでメインフレームの終焉を宣言した専門家は何人もいた。しかし証券会社や米航空宇宙局(NASA)などで計算処理に利用されている、冷凍庫のように大きな産業用コンピュータが、現実の世界で廃れてしまったわけではない。Amdahlなど他のメインフレームメーカーは消滅したが、IBMなど数社はまだこの市場で生き残っている。
IBMは1964年にS/360を発売し、現代的なメインフレームの歴史の幕開けを告げた。それから40年が経過したいまでも、S/360の後継機は利益を生み出し続けている。
IDCによると、IBMは昨年2700台のメインフレームを販売し、43億ドルの売上を記録。メインフレームの売上は減少し始めるとの予想を裏切り、前年(2002年)の販売台数2300台、売上40億ドルという数字から共に伸びを示した。また、昨年業界全体で販売された価格が50万ドル以上のサーバのうち、同社のメインフレーム売上は約3分の1を占めた。さらに同社のサーバ売上でもメインフレームは全体の約3分の1を占めている。
メインフレームのハードウェアの売上は、IBMの全売上の約5%を占めるにすぎない。しかしこれに関連するサービスやソフトウェアなどを含めると、メインフレームからの売上は全体の約25%、営業利益でも45%近くに達すると見積もる者もいる。
「メインフレームは死んだも同然だと言われるが、だとすると45億ドルを稼ぎ出す墓石ということになる」とIDCのアナリストは述べている。
またIBMは、メインフレーム製品の現代化に取り組み、ハイエンドのUnixおよびIntelベースのサーバに対する競争力強化も図っている。同社は7日、IBM S/360の生誕40周年を記念して、z890メインフレームを発表した。z890は中規模企業向けのマシンで、20万ドル未満からの価格展開となる。1960年代以来、このような低価格のメインフレームはほとんど登場していない。
同社はJavaサーバアプリケーション実行のためのオプションモジュールと、ミッドレンジの補助ストレージシステムもリリースした。Linuxオペレーティングシステムは2000年より、IBMメインフレームに採用され始めている。
7日には、カリフォルニア州マウンテンビューにあるComputer History Museumに、メインフレーム関連技術の開発に寄与した先駆者らが集まり、S/360の生誕40周年を祝うことになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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