Oracleは、自社の「グリッド」データベース製品の最終版を出荷しはじめた。これをきっかけに、データベースメーカー間の競争がいっそう激化する可能性がある。
同社は、ユーザ待望のOracle 10gデータベースのUnixバージョンを開発し、数日前からダウンロード用にウェブサイトで公開している。Oracleの関係者によれば、同社は通常、主要なOSに対応したデータベースのバージョンを、同時期にリリースするという。したがって、Oracle 10gのLinuxやWindows対応バージョンも、数週間以内に出荷される見込みだ。
また、同社はOracle 10gに関するプレスカンファレンスを3日(米国時間)に予定しており、出荷日程や価格も含めた製品の詳細情報を発表するとみられている。もともと同データベースは、2003年に完成する予定だった。同社によれば、すでに公開されているOracle 10gのUnixバージョンは、HP-UXと64ビットバージョンのSolarisで動作するという。
ハイエンドバージョンであるOracle 10gは、いくつかの低価格サーバを互いに結合し、高価な装置と同等の処理ができるように設計されている。このOracle 10gの「グリッド」機能は、同データベースのクラスタリング機能を拡張したもので、いくつかのデータベースが連携して、負荷を複数のマシンに分配する。
Oracleのデータベースで動作するカスタムアプリケーションを販売しているCiscoは、Oracle 10gのグリッド機能は、特にLinux上で使う場合に魅力的であると語った。グリッド機能により、1台の高価なサーバを、複数の安価なLinuxサーバに置き換えることができるという。
同社社長のCharles Phillipsは、先週開かれた顧客向けカンファレンスで、Oracle 10gのエントリーレベルバージョンの価格を、MicrosoftのSQL Serverと同等にすると述べた。
同社によれば、MicrosoftのSQL Server 2000の価格は、標準バージョンでおよそ5000ドルという。Oracleは昨年10月に、Standard Editionというエントリーレベルバージョンの価格を、1プロセッサあたり5995ドルに引き下げた。またIBMも同月、DB2 Expressデータベースを、1プロセッサあたり4000ドルの割引価格で発売した。
OracleやIBM、Microsoftはデータベースソフトウェアの主要なプロバイダで、企業がデータベースへ投資する費用の大半が、これらの企業の売上となっている。Microsoftの市場シェアは、2002年度に、OracleやIBMよりも急速な伸びを見せた。これは同社のSQL Serverが、低価格で比較的使いやすいデータベース製品を求める顧客に訴求したためだと、調査会社のGartner Dataquestは説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」