影響力のある市場調査会社、米IDCが、米Intel製Itaniumプロセッサ搭載サーバの売上予想を下方修正した。米Advanced Micro Devices(AMD)など他のメーカー製品との競争激化が理由だという。
IDCが13日(米国時間)明らかにしたところによると、同社は今まで、Itaniumサーバの出荷が2007年に87億ドルに達すると予想していたが、この数字を75億ドルに下方修正した。ただし、短期的には、予想金額を上方修正したという。
IDCが売上予想をまたもや下方修正したことは、Itaniumにとっては暗いニュースである。かつてItaniumチップは、Intelの「x86」プロセッサがデスクトップコンピュータ市場で圧勝したように、サーバ市場を制覇すると多くの人々に考えられていた。だが、IDCはここ数年にわたって、何度かItaniumの売上予想を下方修正してきている。同社は2000年の時点で、2004年のItaniumサーバの売上額を280億ドルと予想していた。
下方修正の理由については、「Itaniumのアーキテクチャが安定すると、現在市場に出ているアーキテクチャのチップや(AMDの)64ビットx86系チップなどとの競争に遭うことになる」からだと、IDCのサーバグループ調査部門バイスプレジデント、Vernon Turnerは13日の電話会議で述べている。
64ビットのx86系チップは、現在AMD64と呼ばれている(Intelのライバルにあたる)AMDの技術で、プロセッサの設計に64ビット機能を追加している。AMD64は、大容量メモリを扱うといった64ビットの機能を追加しながらも、IntelのXeonやPentium、AMDのAthlonなど、x86ベースの32ビットプロセッサ用に書かれたソフトウェアを簡単に起動することができる。これと対照的に、Itaniumでx86ベースのソフトウェアを起動すると、動作が遅く、ぎこちないものとなってしまう。
Intelは、Itaniumに対してより楽観的な見方をとっている。「我々は、Itaniumの進歩について、全体的には満足している」と、Intelの広報Scott McLaughlinは述べている。「我が社は2003年に10万台以上の(Itaniumを)出荷した。我々は(米IBMのPowerや米Sun MicrosystemsのUltraSparcといった)RISCプロセッサとの競争では、素晴らしい進歩を遂げている」(McLaughlin)
IDCは予想数値を引き下げたものの、Itaniumを単なるニッチに葬ったわけではない。80億ドルという市場規模は、IBMのメインフレーム市場の約2倍だとTurnerは言う。
またIDCでは、Itaniumを利用するのは、主に4基または8基のプロセッサを搭載したハイエンドのサーバになると予想し、大量に出荷されるデュアルプロセッサマシンではないとしている。
IDCの売上見込みは、通常5年先を予測したものとなっており、同社が2000年に出した予測では、2004年度のItanium搭載サーバの売上を280億ドルとしていた。また2001年には、2005年に150億ドルに相当する同サーバが販売されると予測していたが、後になってこの数字を約125億ドルまで引き下げている。
2002年になると、この見込みはさらに悪化し、2006年の売上が90億ドルとなったが、同年後半には再度下方修正が行われ、75億ドルまで低下していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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