富士通の米国コンピュータ子会社、Fujitsu Computer Systemsが、米IntelのItaniumチップを搭載したサーバ市場への本格攻勢を開始した。新製品の発表は、Intelのハイエンドプロセッサ拡販の動きに控えめながらも寄与することになる。
富士通は、最大4基のIntaniumチップを搭載可能なPrimergy RXI600の受注を開始し、2004年1月にもこのシステムの出荷を開始する計画だ。これは、Primergyサーバ製品マネージャのJon Rodriguezが16日(米国時間)に行われたインタビューの明らかにしたもの。同社は最近になってItaniumの採用を決めたが、これも米Sun MicrosystemsのUltraSparcや米IBMのPowerなどのハイエンドプロセッサに対抗できるものとして、Itaniumを売り込むIntelの言葉を受け入れた結果といえる。
調査会社の米IDCによれば、2003年第3四半期には、4957台のItaniumサーバが販売されたという。同時期に、Xeonチップ搭載サーバは1万746台売れており、またXeon向けソフトウェアを動作可能な米AMDの64ビットチップOpteron(2003年4月発表)を搭載したサーバは1万746台売れている。
富士通では、米Microsoftが4月にWindowsのItanium対応版を出荷していることから、Itaniumを取り巻く状況が改善されると期待している。同社はまた、Itanium上でXeonプロセッサをエミュレーションするIntelのIA32-ELと呼ばれるソフトウェアにより、現在Xeonサーバを使用しているユーザーにとっても、Itaniumの有用性がより高まると考えている。
Itaniumは、当初Intelの望んだほどのペースでは普及していないが、同社はItanium搭載サーバの販売においてHewlett-Packard(HP)を除く数社の協力を仰ぐことには成功している。そのHPは、Itaniumプロセッサの基本アーキテクチャをもともと考え出した企業であり、また同プロセッサの最大の支持者である。なお、現在Itaniumサーバを提供している企業には、米Unisys、米IBM、米Dell、NEC、日立、米Silicon Graphics(SGI)などがある。
Rodriguezの話では、富士通は2基のItanium 2-1.3GHzチップおよび8GBのメモリを搭載したPrimergy RXI600を、2万6500ドルの価格で販売するという。また、1.5GHzプロセッサ4基と最大搭載容量である32GBのメモリを積んだシステムの表示価格は、6万9500ドルとなっている。
RXI600は、IntelのItaniumサーバのデザインモデルであるTigerをベースとしている。だが同社では、独自の管理/セットアップソフトウェアを同梱すると、Rodriguezは説明する。 また同氏によれば、富士通は独自デザインでより強力なパフォーマンスのItaniumサーバを2005年に提供する計画だという。当初、同システムでは32基のプロセッサが動作し、将来的には128プロセッサにする計画だという。
富士通は、IntelのXeonプロセッサを搭載したPrimergyサーバ製品を、ミッドレンジからローエンド向けに販売している。一方ハイエンド向けには、Sun MicrosystemsのSolarisを動かせるSparc64プロセッサ搭載のPrimepowerシリーズを用意している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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