米Motorolaのチップ部門が独立する。同社が6日(米国時間)明らかにした。
同社は、通信および電子システム市場の5つの分野に専念するため、PowerPCなどのチップを製造している同社のSemiconductor Products Sector(半導体製品セクタ:SPS)を独立させ、別会社を設立する意向だ。
同社では、半導体製品部門は別会社として活動したほうが好ましいと考えている、と述べた。これは、4カ月にわたる戦略的検討の結果としてたどり着いたものだとしている。
半導体業界が数年間の低迷の末、ようやく復活の兆しを見せていることから、この時期での分離独立は合理的だと同社は話している。
しかしMotorola自体もここ数年経営が厳しく、同社最高経営責任者(CEO)Christopher Galvinは会社の方向性に関する同僚幹部との意見の不一致を理由に、辞任の計画を表明している。Galvinは以前に、基本に返る方針を語っていた。
Motorolaのチップは、ネットワークおよび自動車市場で広く使用されているが、コンピュータにはそれほど浸透していない。同社チップは、たとえば複数の自動車で伝導機構の制御などに採用されている。しかしSPSは、米Apple Computerの最高性能デスクトップ用に、PowerPCを提供するという重要な役割を最近米IBMに奪われるなど、厳しい状況が続いていた。MotorolaとIBMはどちらもPowerPCのライセンスを保有しているが、製造しているチップのバージョンが異なる。
MotorolaはSPSの分離独立によって、状況の好転を期待しているに違いない。同社は半導体部門の一部を株式初公開(IPO)し、残りの株式を非課税な形で株主に分配することを検討している、と同社は述べている。これは取締役会と規制当局の承認を得る必要がある。
同社の半導体部門が株式会社となれば、企業買収により新製品ラインを追加しやすくなる、とMotoloraは言う。
同社はSPSを独立させた後、5つの製品部門を抱えることになる。同社のPersonal Communications Sectorは携帯電話ハンドセットや関連製品を提供していく。Global Telecom Solutions Sectorは携帯電話ネットワーク用の機器やソフトウェア、サービスを提供する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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