「ワイヤレス業界は基本に返るべきだ」---米Motorolaの最高経営責任者(CEO)、Chris Galvinは米国時間3月17日、無線関連の展示会CTIA Wireless 2003の基調講演において、「オンライン対戦型ゲームなどデータ主体型の開発を行うのではなく、音声通話そのものを改善すべきだ」と主張した。
数千人に及ぶワイヤレス業界の管理職を前に、同氏は「何かが可能だからといって、やらなければいけないわけではない」と語っている。
Galvinのコメントは、他のCEOが基調演説で述べた内容と真っ向から対立する。今回の展示会では、多くの企業が音声通話ではなく、高度なデータ通信サービスを中心に紹介している。例えば、米Verizon Wirelessが発表した高速ウェブアクセスのための無線LAN接続や、ファイアウォールを通過するモバイルアクセスなどだ。
しかしGalvinは「そのような取り組みも結構だが、米国の携帯電話網では音質の改善や通話範囲の拡大など、まだなすべきことがあるはずだ」と訴える。「インフラを改善しなければ、地上回線より携帯電話が通話手段として利用される日はやって来ない。さらに携帯電話網が低品質で頼れないとなると、新たなユーザーが携帯電話に背を向けてしまう危険性がある」(Galvin)
現在、通信事業者は音声通話からほぼ全ての利益を得ているにもかかわらず、高速ウェブアクセスに対応する新たな電話網の構築にばかり何十億ドルも投資している。さらに大手各社はその構築費用を回収するために、ダウンロード可能なアプリケーションや電子メールを開発・販売している。
Galvinはこのような動きに対し、「顧客が解決を望んでいる問題に目を向ける必要がある。音声通話の信頼性確立などはその最たるものだ。真の解決策を確立しなければならない時期に返りつつあるのだ」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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