Java標準への準拠を巡り、大きな注目を集めていた確執が、今週解決へ向けて一歩前進した。だが、同標準の価値に対する疑問は依然として拭い切れていない。
オープンソースJavaソフトウェアのディストリビューター、JBoss Groupが米国時間7月28日に語ったところでは、同社は米Sun Microsytemsの管理するJava 2 Enterprise Edition(J2EE)標準の認証を自社ソフトウェアが受けられるよう作業を進めていくという。今回の判断は同社のこれまでの立場に翻すもので、Javaの認定を巡って長く続いてきたSunとの論争を解決へと導く可能性がある。
J2EEは製品ではなく、商用ソフトウェアメーカーが標準化された手法でJavaを使って製品を構築するために採用する一連の仕様。たとえば、J2EE仕様に沿って書かれたソフトウェアアプリケーションは、一切変更を加えることなくJ2EE互換アプリケーションサーバ上で動作することになっている。ベンダーが正式に自社ソフトウェアのJ2EE互換を謳うには、自社製品で一連のテストを行わなければならない。そして、Sunは互換性テストの実施やベンダー各社へのロゴ提供によってJ2EEから利益を得ている。
Sunでは、JBossがテストを受けないままマーケティング資料にJ2EEブランドを使用し、顧客の誤解を導いたと主張してきた。無償提供されるJBossアプリケーションサーバソフトウェアにコンサルティングサービスを提供することで利益を得ているJBossは、Sunの提示するテストスイートに課すライセンス料が高すぎるとの不満を示しており、またJ2EE認定の価値も下がっているとしていた。
JBossの開発戦略本部担当バイスプレジデント、Bob Bickelは、「JBossでは基本的に、過去にJ2EE認定は不要だし、また望んでもいないとの発言をしてきたし、Sunも我々にはJ2EE認定を与えないと示唆していた」と語った。
Sunは今年3月に、J2EE準拠を認定するソフトウェアテストのライセンス提供をJBossに打診してきたが、交渉はすぐに決裂してしまった。
ところが今週JBossの経営陣が明らかにしたところによると、同社はソフトウェアの提供対象を大企業にも拡大すべくJ2EE認定を模索するという。両社が話し合いを進めていることはSunの複数の関係者が正式に認めている。
JBossの経営陣は、認定は主に形式的な手続きであり、同社の技術に変更があるわけではないと強調している。
「我々の核となっているデベロッパーたちからは、J2EE認定があろうとなかろうと、特に関係ないとの声が多い。だが現実には、J2EE認定を謳う製品の開発を進める多くの大企業で、すでに製品の生産が進んでいるのだ」(Bickel)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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