Linuxの生みの親Linus Torvaldsが、Open-Source Development Lab(OSDL)に参加した翌日、今度は次期Linux 2.6バージョンの開発責任を負うトッププログラマー、Andrew Mortonもこれに加わった。
オレゴン州ビーヴァートンに本拠を置き、IBM、Hewlett-Packard(HP)、 Intelや、その他数多くの企業から支援を受けているOSDLの重要性が、これによりさらに高まることになる。Torvaldsは、米チップ開発メーカーのTransmetaを一時休職して、今月1日(米国時間)からOSDLに出向している。
「OSDLにとても力強い援軍が加わった。これで、OSDLはさらに強い力を持ち、影響力も増すだろう」と、米RedMonkのアナリスト、James Governorは述べている。
Mortonは、Torvalds がLinuxカーネル開発の重点をバージョン2.5から2.7へ移したあと、次期2.6バージョンのカーネルをメインテナンスする責任者となる。すでにバージョン2.6の開発を監督し、その開発作業に加わっているMortonは、Alan Cox、Jeff Garzik、Greg Kroah-Hartman、David Millerらのプログラマーとならんで、Torvaldsを助ける重要な片腕的存在である。
Mortonが2.6カーネルの開発にフルタイムで関わる間の資金はOSDLが提供するものの、彼は勤務先である米セットトップボックスメーカーDigeoを離れるわけではなく、同社での主任エンジニアという肩書きもそのまま保持する。
「我々が本気で成し遂げようとしているのは、Linuxにとっての求心的存在として認知されることだ」と、OSDLのChief Executiveを務めるStuart Cohenはインタビューのなかで語った。「LinusとAndrewが参加してくれたおかげで、OSDLがLinux開発コミュニティへ重要な貢献を果たす存在になるための長い道のりを歩き出すことができる」(Stuart Cohen)
OSDLは、現時点で未参加の大手コンピュータ関連企業数社に対して、加入の働きかけを行っているところだ。Cohenの話では、米Sun Microsystems、米Oracle、独SAP、米Novellなどと話し合いを持っているという。
またOSDLでは、中国のLenovo(旧名Legend Computing)、米PeopleSoft、そしてLinux販売を手がけるブラジルのConnectivaや中国のRed Flagといった企業に対しても、同グループに参加するよう呼びかけている。OSDLでは新たなパートナー企業勧誘のために、Brian Gregaをビジネス開発部門のバイスプレジデントとして雇い入れている。
米SCO GroupもOSDLのメンバーだが、同社がIBMを相手に30億ドルの損害賠償を求めて起こした裁判では、IBMがUnixに関する同社の知的財産を不正流用しLinuxの改善に用いたと主張している。SCOはいまでもOSDLのメンバーであり、同社の起こした裁判がLinuxの勢いを削いだりすることは起こっていないと、Cohenは付け加えた。
OSDLはトップレベルのプログラマーを雇い入れること以外にも、その野心を広げているとCohenは述べた。同グループではLinuxユーザーが構成する諮問委員会を設立し、OSDLメンバーの各団体がユーザーのニーズを確実に満たすよう助言を行わせている。なお、この場合のユーザーニーズとは、Linuxのテクノロジーに限らず、サポートや教育、サービスやコンサルティングなど、それに付随する要求事項をも含んだものを指しているという。同委員会の初会合は7月23、24日の両日に開かれる予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力