Alma Whitten氏は、Googleのプライバシーに対する取り組みの顔という、同社の中でもとりわけ重要な仕事を引き受けた。この仕事は、もしかすると遂行できないものかもしれない。
Whitten氏はGoogleに7年間勤めているエンジニアで、プライバシーとセキュリティの分野での経験がある。同氏がGoogleのプライバシー担当ディレクターに指名されたことを伝えたのは、米国時間10月22日のブログ記事だった。Googleはこの記事の中で、Wi-Fi情報の誤収集という大失態において電子メールアドレスとパスワードを不正に取得したことを認めている。同氏はすでにプライバシー問題に重点的に取り組むチームを率いているが、これまでよりも多くのリソースを手にして、さらに多くの責任を負い、Wi-Fi問題のような事故の再発を防止するとともに、Googleがプライバシーを真剣に考えていると人々に納得させることを目指す。
Whitten氏は28日、米CNETとのインタビューの中で、「わたしの責務は、製品やエンジニアリングの中からプライバシーを推進し、囲い込むべきものを囲い込むことだ」と語った。Whitten氏が直属することになるのは、製品管理担当シニアバイスプレジデントJonathan Rosenberg氏とエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントBill Coughran氏だ。
プライバシーはGoogleにとって厄介な分野である。Googleという企業は、世界の情報工学の問題を解決するために必要だと信じているデータを、どこまでも渇望しているからだ。Googleは、収集したデータを保護するための安全装置を備えており、データはユーザーが進んで提供したものだと言うが、システムというのは壊れるものだ。同社はこのことを、Wi-FiスキャンダルとエンジニアのDavid Barksdale氏の解雇で、2010年に2度証明している。Barksdale氏は、職権を濫用して、シアトル地域の子供たちの「Gmail」と「Google Voice」のアカウントに侵入した。
Googleは、Whitten氏の任命を発表したブログ記事の中で、プライバシーの諸問題に関する従業員向けトレーニングの量を増やし、プライバシーに関わる基準から製品をレビューする新しいプロセスを導入すると述べている。Whitten氏の業務は、「Android」から「Google Chrome」、Gmail、YouTubeにおよぶGoogleの膨大な製品にわたって、これらのポリシーの実行を監視することだ。
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