AMDはこの変化の中でどのような位置を占めているのだろうか。Mercuryによると、AMDのグラフィックスチップは、「爆発的な伸びを示した」IntelのCore i3プロセッサと「密接に組み合わされて」おり、「そのため、AMDのモバイル用GPUの出荷数はこの四半期に大きく伸びた」という。Mercuryはまた、ATIのグラフィックスチップはAMDのプロセッサと組み合わされることも多くなっているとしている。1つの傾向が、「デュアルグラフィックス」ノートPCへの動きに結び付いた。ここではディスクリートGPUが、Core i3やCore i5といったIntelの新CPU、あるいはAMDのプロセッサと組み合わされる。
Mercuryによると、「(PCメーカー)との話から、多くのメーカーがデュアルグラフィックスシステムに取り組んでいることが伺える」という。この組み合わせはどのような仕組みで機能するのだろうか。例えば、ノートPCがバッテリ電源で稼動しているときは、デフォルトで電力効率の良いIntel(またはAMD)の統合グラフィックスが使用される。より高いパフォーマンスが必要とされるときは、ディスクリートグラフィックスに切り替わる。例えばHPの「Pavilion dv7t」では、「ATI Mobility Radeon HD 5650」グラフィックスチップをベースとした切り替え可能なグラフィックスオプションが用意されている。
AMDがこの市場で今のところうまくやっているとはいえ、NVIDIAが消えてしまったわけでは決してない。Appleが最近リニューアルした「MacBook」「MacBook Pro」では、グラフィックスをIntelとNVIDIAの間で切り替えられるようになっている。
またMercuryの主席アナリストであるDean McCarron氏によると、NVIDIAの停滞は一時的なものである可能性があるという。「AMDに(市場)シェアが移っていることとは別に、いくつかの動きがNVIDIAで起きている。統合分野では、NVIDIAは新しいプロセッサのためのIntel(チップセット)バスライセンスを持っていない。よって同社のIntel製品は徐々に減ってきている」。McCarron氏は電話インタビューでこのように語った。同氏は、NVIDIAが法律上の争いのためにIntelのCore iシリーズプロセッサのためのチップセットを作ることができない点に触れている。
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