「大胆」という言葉は、良くない選択と解釈することもできる。それが原因で一部ユーザーのiPhone 4の受信感度が弱くなっているのだとしたらなおさらだ。多くの携帯電話メーカーは、本体背面の底部の近くに内蔵アンテナを配置している。Appleも旧バージョンのiPhoneではそうしていた。ほかのハンドセットの設計者もこの設計を採用するようになり、ユーザーマニュアルや、使用前に剥がされるステッカーに警告文を載せるようになった。しかし、アンテナに触れると感度が鈍るという情報を提供するわけではなく、ただその部分に触れないように警告するだけだ。
Motorolaの「i1」やHTCの「Nexus One」、Palmの「Palm Pre」も本体底面に向いたアンテナを内蔵している。米CNETがこれらの携帯電話を独自にテストしたところ、アンテナ部分を覆うように本体を握ったときでも、受信感度や音声品質の低下は起こらなかった。
このアンテナ問題については、いくつかの対処法が提案されている。本体の左下隅にテープを貼る方法のほか、Appleが提案したように、ラバーケースを購入する方法もある。しかし、199ドルや299ドルの携帯電話を購入した後に、設計上の不具合の可能性がある問題を解決するために、さらに30ドルを支払わなければならないという提案は、あまり顧客の立場を考えた提案とは言えない。
顧客が携帯電話に関して、凝ったデザインではなく、より大きな実用性を求めるようになる可能性もある。これは繰り返されるサイクルだとWebb氏は言う。
「これは振り子のようなものだと思う。振り子は動くものだ。視覚的なデザインや工業デザインが重視されるという方向に振り子が動くとき、(携帯電話が)機能しなくなると、そちらの方には振れなくなる。性能が重視される状況になると、振り子は逆方向へ動き出す」(Webb氏)
とはいえ、Appleは素晴らしいペースで携帯電話を販売している。したがって、ユーザーがAppleを支持して同社の製品を購入し続ける限り、今の状況がどれほど変わるかは不明だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」