Appleの回答は、この問題はユーザーの責任であり、同社の設計に問題はないという見解を示している。しかし、この問題が発生した際、シリコン製ケースで左下隅部分を覆ったり、一部サイトで提案されているようにセロハンテープを貼ったりすることで簡単に対処できるらしいという情報は、iPhone 4の設計に原因があることを示している。
現在の多くのスマートフォンでは、アンテナは本体の底部に内蔵されている。これには2つの理由がある。1つは比吸収率(SAR。人体が吸収しても大丈夫な電波の許容値)に関する米連邦通信委員会(FCC)の要件を満たすためだ。もう1つは、伸縮式アンテナの流行が数年前に終わったからだ。
スマートフォンメーカー各社は、より小型で、より洗練された機能とデザインを備えた携帯電話を作るために、以前よりも大きな制約を自らに課している。メーカーはより大容量のバッテリとより強力なプロセッサを、より小さな本体に詰め込み、派手な素材や独特の美学を添えようとしている。そして、iPhone 4を発売したAppleのようなメーカーは、ある種の取捨選択と優先順位付けを始めなければならないという。アンテナ設計会社AntennaSysのプレジデントSpencer Webb氏はそう指摘する。
「これらの制約を考えると、(iPhone 4を)設計した人物は非常に大胆なことをやったといえる。アンテナをバンドの近くへ移した。バンドをアンテナ機構の一部として使うのは、かなり大胆なことだ。わたしが覚えている限り、近年のコンシューマーデバイスで、同じ設計を採用したものはない」。Webb氏はインタビューの中でこのように語った。
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