この点を強調するため、Perlmutter氏は北京でSandy Bridge搭載ノートPCを使って、極めて複雑な医用画像処理のデモを行った。通常なら、デスクトップPCで行われるような用途だろう。アナリストらは、これがSandy Bridgeを差別化するものになると言う。「今までIntelのモバイル向け製品は、デスクトップ向けプロセッサの簡易版にすぎなかった。しかし、それは変わった」。投資銀行Collins StewartのアナリストであるAshok Kumar氏はこのように述べる。Kumar氏によると、Intelが現在直面している課題は、従来の純粋なプロセッサ性能と、1つのシリコンに搭載できる追加機能の数との微妙なバランスを取ることだという。
そうした追加機能の1つがGPUだ。メインストリームのPCプロセッサで、IntelがCPUと同一のシリコン上にGPUを配置するのはSandy Bridgeが初めてとなる。換言すると、IntelのCPUの定義にGPUも含まれるようになったということだ。これは、NVIDIAやAdvanced Micro Devices(AMD)といったライバル企業から見ると、決して些末なことではない。現在のPCで使用されているスタンドアロンの「ディスクリート」(つまり非Intel製)GPUは、事実上すべて、NVIDIAとAMDの2社が供給している。
Insight64の主席アナリストであるNathan Brookwood氏は、Sandy BridgeのCPUとGPUはいずれもIntelの最新の32ナノメートル技術を基に構築される予定で、これも初めてのことだと指摘する。Brookwood氏は「これは、グラフィックス性能の向上に貢献するはずだ」と述べ、現在IntelのGPUは同社のCPUより1世代遅れていると付け加えた。Sandy BridgeのCPUとGPUはいずれもオンチップメモリリソースを共有することになる。これも初めてのことだ。
もっと簡単に言うと、Sandy Bridgeはムーアの法則の延長線上にあるもので、チップ1枚当たりのトランジスタの数が増えるということだ。Intelは最近、このことを「統合」と呼んでいる。GPUなど、以前はチップに含まれていなかったものをチップに搭載するという意味だ。
統合の目的は、最も高速なチップを作ることだけではなく、よりバランスのとれたチップを作ることでもある。「問題は、単に最も高速なソリューションを作ることではなく、利用可能なスペースに関して、どこで妥協するかということだ」(Kumar氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力