10周年を迎えた「iPhone」、今後10年でどこへ行く? - (page 2)

Scott Stein Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年01月13日 07時00分

あらゆるものに接続する

 iPhoneは既にフィットネストラッカーや「Apple Watch」、拡大するスマートホーム機器とコネクテッドガジェットの世界のハブになっている。iOSの最新バージョンでは、スマートホーム用リモコンなどのスマートホームに関する機能へのショートカットがコントロールセンターに追加されている。こうした機能は今後、より多くの端末やサービスに拡大するはずだ。

 iPhoneはより簡単にほかのガジェットと通信できるようになるだろう。「Bluetooth 5」では、ほかの周辺機器と接続するときの通信範囲と速度が向上する見通しだ。家庭内では、それは大きな違いをもたらすかもしれない。「WiGig」というダークホースも存在する。WiGigは超広帯域、短距離のWi-Fi規格で、将来、iPhoneを大型スクリーンやアクセサリに瞬時にミラーリングするのに使われる可能性もある。

よりディープなAI

 人工知能(AI)の門戸を開いたのは「Amazon Echo」である。ガジェットに話しかけることは迷惑なことではなく、クールなことと見なされるようになった。しかし、「Siri」(ほぼすべてのApple製端末に搭載されている)には、依然としてさまざまな問題がある。SiriはAmazonの「Alexa」に比べると応答性が劣っており、「Google Assistant」ほど直観的でもない。AppleはSiriの機能をもっと増やして、コンテキストをより正確に理解できるようにする必要がある。

 iPhoneをもっと環境になじむように、そしてより役立つようにすることが、次のステップとして必要になってくる。Google Assistant、そして、Googleの「Pixel」スマートフォンでその機能がいかにユーザーの役に立つかを考えてみるといい。「iOS 9」では、その点で少し進歩したが、Appleはアプリ、サービスとAI、機械学習の連携に今後も取り組み続けるはずだ。

 興味深い要素もある。それは、同社がコンピュテーションをクラウドではなく、端末上で実行するのを重視していることだ。これはGoogleやAmazonと完全に異なるアプローチで、その思想の根幹にあるのはプライバシーである。Appleの最新の「写真」アプリは顔や場所によって写真ライブラリをスマートに整理し、さまざまなテーマの思い出ムービーを自動で作成する。より高性能なSiriと、よりスマートなAIを必要としているのは、iPhoneだけではない。それは、Appleが全体的に必要としていることである。

端子を完全に廃止

 ヘッドホンジャックの廃止には誰もが悲しんだ。そのほかの端子もなくなったら、どうなるだろうか。2016年、「MacBook」とiPhoneの入力端子は、わずか数個に削減された。次は、もしかしたら「Lightning」が廃止されるかもしれない。

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初代iPhone(左)と最新のiPhone 7 Plus(右)
提供:Sarah Tew/CNET

 iPhoneの充電には、今もLightningケーブルを使用する。非接触充電(「Android」スマートフォン向けに何年も前から提供されており、Apple Watchでも採用された充電方式)はまだ実現していない。しかし、(おそらく「iPhone 8」で)それが実現したら、Lightningの必要性は大いに低下するだろう。

 「AirDrop」経由でローカルにファイルを転送したり、「AirPlay」経由でストリーミングしたりすることは、既に可能だ。Appleがヘッドホンジャック非搭載のiPhone 7に続いて、端子が一切ないiPhone 8を発表する可能性は低いが、完全ワイヤレスを試みるiPhoneはいずれ登場するだろう。

前面全体を覆うスクリーン

 iPhoneには、今でもベゼルがある。ベゼルとは、本体前面のスクリーン以外の部分のことだ。例えば、ホームボタンの周りもベゼルである。サムスンの最近のスマートフォンは、本体前面のほぼ端から端までを覆うスクリーンを搭載しており、ディスプレイが左右両端の側面まで広がっている。スクリーンが前面全体を覆う、ベゼルのないiPhoneが実現したら、小さな本体に大型スクリーンを搭載でき、扱いやすくなる。「Touch ID」がディスプレイに統合されるとの報道が本当なら、スクリーンの一部を触るだけで、ログインや決済ができるようになる。

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